留学

今月の特集  
日本の大学院でもMBA取得が可能になり、さらに2004年4月からロースクール(法科大学院)を開設する大学もある。だが、それでも海外の大学院に留学の希望者は依然として多い。やはりこれは、研究テーマによって、海外の大学院の方が日本よりずっと研究が進んでいて、研究者の数や教授陣も豊富な分野があるからだ。その分野を研究したい場合は、最先端の知識が得られるという点で、大学院留学のメリットは大きい。先月の大学院留学についての一般的な知識に続き、今月は、タイプ別大学院留学スタイル、英語圏3カ国の大学院の特徴、大学院留学が向いている人向いていない人、世界の大学院ランキング、大学院留学に関するデータをご紹介。

あなたは投資回収型? 生きがい型?
英語圏3カ国の大学院の特徴
大学院留学、向いてない人とは?
分野別アメリカの大学院トップ10



大学院留学する人の中には、必ずキャリアに結びつけたい、という「投資回収型」から、趣味・教養をさらに深めたい「生きがい型」まで、色々なタイプの人がいる。「生きがい型」、投資したお金が回収できるかどうかを綿密に計算し、卒業後の就職に際しての年齢制限なども視野に入れる必要があり、一方の生きがい型も、長い時間かけてある学問を究めるのだから相当の下準備が必要だ。さあ、あなたはどれに当てはまる?

キャリアアップタイプ…投資とキャリアがセットになっていて、さらなる実力を付けたいタイプ
(例) 企業で管理職→MBA留学→経営陣候補
           →独立・起業
エンジニア系→自分の専門系に留学→帰国あるいは海外で好条件で再就職
   
 
キャリア転換タイプ…別の分野で働いていたが、キャリアチェンジをはかるための実力を付けたいタイプ
(例)会社員、OL →心理学系に留学→カウンセラー
→女性学、歴史学など文系に留学→アカデミックな研究者
→平和学、国際紛争学などに留学→国連やNPO,NGO団体に就職
     

年齢やキャリアに関係なく、今まで自分がやってきたこと、または別のことを学んでみたいタイプ。経済的に余裕がないと難しい。
(例) 経営者→MBAで理論的バックグラウンドを学び直したい
社会人→アートやデザイン系など、一度諦めたがやってみたい
国際関係論、英文学など食べていくにはイマイチ弱い分野だが学びたい
 




英語圏で大学院教育が充実しているアメリカ、イギリス、カナダの大学院の特徴
を以下にまとめた。

  日本と違い、大学院進学者が多いアメリカでは、大学院進学は一般的な選択肢の一つ。ビジネススクールやロースクールなどのプロフェッショナルスクールはもちろん、学術系の大学院でも実社会に非常に関係のある教育をおこなうため、専門分野の種類が豊富だ。
また、学部時代に専攻した分野と異なる分野を専攻することにも寛容。

人気の専攻:経営学、工学、コンピューターサイエンス
アメリカ特有の専攻:不動産学、犯罪学、景観学、スポーツ経営学、カウンセラー教育学、映画製作など

  アメリカに比べ、学校数は少ないものの、約100校の大学すべてが大学院過程を設置しているイギリス。通常、大学院に進学する場合、学部時代と同じ分野を専攻することが多い。また、プログラムが研究テーマごとに設けられ、履修科目を柔軟に選ぶのがなかなか難しい。というのも、最初から研究のテーマをきっちり決めて能動的に研究を進めていくというスタイルがイギリスの大学院の特徴で、研究のテーマが曖昧な人には向いていないだろう。

強い分野:開発学、英語教授法、海洋学、国際関係学、ヨーロッパ研究、アフリカ・中東に関する地域研究、アート・デザイン、ミュージアムスタディ

  全大学生のうち、7人に一人が大学院生というカナダ。この割合はアメリカとほぼ同じで、大学院への進学は決して珍しくない。特にカナダでは、物事のメカニズムを解明する基礎研究の水準が高く、世界でもトップレベルだと言われている。プログラムのスタイルはアメリカに比較的似ている。

強い分野:医学、農学、地学、海洋学、水産学、地質学、環境学、言語教育、民族研究、国際協力



いざ、大学院留学を決意、でも自分は本当に海外で留学生活を送れるか心配…、という人には、是非以下を参考にして欲しい。性格的、実力的に留学に向いてない人を挙げてみた。

勉強の基礎体力がない人…海外の大学院での勉強量は、日本の大学の学部レベルの勉強量の比ではない。コツコツ勉強をするという勉強の基礎体力がない人にとって、外国語で何かを学ぶだけでもかなり大変なことを理解しておこう。
基礎的な英語力がない人…英語圏への大学院留学の場合、当然授業も、提出論文も、読まねばならない文献も全部英語。なので、学生時代英語が得意だったとか、英会話スクールで英会話を勉強したとか、その程度では、海外の大学院では通用しない(というか、その前に合格しない?)。だが、逆に英語力があれば、論文を書くにも文献を読むにも、ディスカッションをするにも、かなり楽になることは間違いない。

視野がせまい人…日本の大学や企業で優等生だった人に多いパターンだが、自分のやり方を曲げないばかりに失敗する人がいる。海外の大学院での勉強方法は、日本とは大きく違うので、それに適応できるだけの柔軟性が必要だ。そして、留学してみて自分の思うとおりに勉強が進まなかったときに、頑なに自分のやり方を固持するのではなく、出来なくて当たり前、と謙虚な姿勢で教授や他の生徒の話が聞けない人、変なプライドを持たず人に助けを乞えない人は、海外の大学院で学問を成し遂げるのは難しいだろう。

心身共に健康でない人…まず、体力。海外で生活するということは、慣れるまではやはり大変だ。食べ物も違うし、天候も違う、何より言葉が違う。そんな状況の中で寝る間を惜しんで勉強をしなくてはならないのが大学院留学の厳しさだ。体力に自信がないと難しい。
また、精神的な面で言えば、神経過敏な人、ストレスが溜まりやすい人。留学生活では、日本とは勝手が違うことで、自分の思うとおりにならないこと、予期せぬことなど色々なことが起こる。そんなとき、すべてをいちいち気にしたり、「また何か起こったら、失敗したらどうしよう」とマイナス思考に陥りがちな人は、ストレスを抱えてしまい、勉強に身が入らなくなってしまう可能性がある。

ただ、上記にあてはまる人はすべて大学院留学に向いていない、という訳ではない。すべては自分の意識次第で変えられること。大学院留学を本気で目指しているなら新しい自分になるつもりで、頑張ってみよう。



1,500校が大学院過程を持ち、その数はイギリスの15倍にものぼるアメリカの大学院。さまざまな分野の研究ができることからアメリカの大学院に留学を希望する日本人は多い。そこで、分野別アメリカの大学院トップ10をご紹介。(U.S.News.comより)


1. Harvard University
2. Stanford University
  University of Pennsylvania (Wharton)
4. Massachusetts Institute of Technology (Sloan)
  Northwestern University (Kellogg)
6. Columbia University
7. Duke University (Fuqua)
  University of California-Berkeley (Haas)
9. University of Chicago
10. Dartmouth College (Tuck)


1. Yale University
2. Stanford University
3. Harvard University
4. Columbia Universit
5. New York University
6. University of Chicago
7. University of Michigan-Ann Arbor
  University of Pennsylvania
9. University of Virginia
10. Cornell Universit


1. Massachusetts Institute of Technology
2. Stanford University
3. University of California-Berkeley
4. University of Illinois-Urbana-Champaign
5. Georgia Institute of Technology
6. University of Michigan-Ann Arbor
7. California Institute of Technology
8. University of Southern California
9. Purdue University-West Lafayette
  University of Texas-Austin

参考文献:『アメリカの大学院で成功する方法 留学準備から就職まで』(中公新書)
『大学院留学事典 2003-04年度版』(アルク)



【大学院留学関連サイト】
Gradschools.com(英語)
英語圏の大学院約54,000校をオンラインで検索出来るサイト。専攻分野、頭文字検索などが可能
http://www.gradschools.com/
IThe International Education Site(英語)
英語圏の大学・大学院のサイトが検索できる。また、オンラインで資料請求や願書請求も可能。
http://www.intstudy.com/
U.S. News.com: America's Best Graduate Schools 2004(英語)
アメリカの有名週刊誌『U.S.News & World Report』のサイト内にあるアメリカの大学院のランキング。ビジネススクール、ロースクールなど専攻別のランキングの他、GMATやMBAについての記事などもある。
http://www.usnews.com/usnews/rankguide/rghome.htm
Subject Review reports(英語)
イギリス、北アイルランドの大学・大学院についての調査結果のサイト。
http://www.qaa.ac.uk/revreps/subjrev/intro.htm
ETS Net(英語)
TOEFL, GMAT, GREなど、大学、大学院留学に必要な試験を開発・制作しているETS(Educational Testing Service)のサイト。
http://www.ets.org/


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