留学

仕事につながる海外体験談


留学、特に大学・大学院留学は、目的をはっきり持って。
yasuyuki kusaka
海外での体験を生かして、仕事をしている人にお話をうかがう「仕事につながる海外体験談」。

今回は高校卒業後から大学院卒業までアメリカに7年間滞在し、帰国後外資系コンサルティング会社に就職、現在は独立され、株式会社アライクの代表取締役である日下康幸さんにお話をうかがいました。


初めて海外に出たのはいつ、どこにですか? またきっかけを教えてください。
18歳、高校卒業と同時です。アメリカのコロラド州、デンバーに行きました。
高校に1年通い、大学・大学院も全部アメリカです。
きっかけはですね、17歳の時初めてワイキキに行って、立ち並んでいる巨大ホテルを経営してみたいと思ったんですが、ホテルマネジメントは日本にはなくアメリカで是非それを習得したいと思ったからです。
結局、ホテル関係の仕事にはつかず、コンサルタントになったんですけどね(笑)


現地での生活はどんなものでしたか?
高校のときは、最初ホームステイしていましたが、途中から高校の友達の家庭に転がりこみました。
大学のときは寮ですね。私立は最初寮に入らないといけないところが多いんです。
その後は、ずっと一人暮らししていました。
高校の時は、留学生は自分とドイツ人一人だけ。なので、彼とは仲良くて、よく遊んでました。この頃は英語がわからないのに、できるだけみんなと話せるようになろうと、無理矢理英語で話して、英語漬けの毎日でしたね。

勉強は大変でしたよ、要領を掴むまでは。
大学、大学院の時は、各教科百科事典みたいな教科書を2冊程度、10週間で授業するんです。重いし、中身なんて全部読んでなんていられないし(笑)。
なんとか効率的にやるために、アメリカ人の友達に過去問集めてもらって、その代わり勉強を教えてあげる、ということをやっていました。
管理会計のクラスとっていたときには、アメリカ人10人くらいに呼ばれて教えたりしていましたよ。
レポートは文書苦手だったので文書チェックはネイティブによくお願いしていました。
進路としては、日本の高校卒業後、アメリカの高校3年生に入り、コミュニティーカレッジ、大学、大学院、なのですが、コミュニティーカレッジに進学を決めたのは、まだ英語に自身がなく、とりあえず練習程度に、コミュニティーカレッジに行きました。でも、2学期通ったらほとんどAが取れたので、「これなら大丈夫かな」と思い、デンバー大学に。コミュニティカレッジの成績と試験(読解して、短いレポート書く)で合格しました。
大学→大学院は、内部推薦です。


英語力はどのくらいアップしましたか?
日本での高校生の時、もっとも苦手な科目は英語でした。でも、アメリカで暮らし始めて適当に中学程度の単語と文法でも、話せば何とか通じるってことがわかりました。「物怖じしない!」というのが大事なことだと思います。

最初はリスニングがとにかく大変。アメリカの高校の時は宿題が出ていることすら分からなくて、何度も宿題忘れました(笑)。
大学に入っても、初めの方は正直辛かったですね。宿題を提出しても文章が分からないと『F(FAIL)』をくらってつっ返されたりしたこともあります。
それでも、何とか自分の考えを伝えるため、簡単な単語を多用し、論理性や表現でカバーできるようになりました。

宿題もプレゼンも多い(一週間で100枚程度のレポート仕上げるのも多々ありました)ので、イヤでもできるようになりますが、その中でも自分は英語苦手なほうだったと思います。

TOEICやTOEFLは受けたことないのでよく分かりませんが、渡米した頃はTOEFL500あるかないか程度だったのではないでしょうか?
最終的には、英語の資格試験ではありませんが、大学院入学の際はGPA(4が満点)3.7以上、大学のときは3.5以上、GoldenKey Horner Society(全米で成績上位5%の学生に贈られる賞)をとれるようになりました。
それから、デンバー大学で外国人で初めて、奨学金をいただきました。これは本当に嬉しかったです。



現在のお仕事は何ですか?
Alike.jpというインターネットサイト(http://alike.jp/)の企画・構築・運営をしています。このサイトは「ライフスタイルクリップ」という、今までにないお店版のソーシャルブックマークとSNSをミックスしたようなサービスです。これにより、今までに行ったお店を管理したり、友達と情報共有し、いつでも自分向きなお店を探すことができるようになります。

実は、これは大学院卒業後のコンサルティング業界で働く中で得た知識、特に顧客囲い込み戦略の立案や分析システム作りのノウハウの集大成みたいなものです。帰国後すぐに入社したアーサーアンダーセンやその後所属したKPMG、その後一度元上司と起業したコンサルティング会社を通じて企業戦略から大型システムの製造方法までの知識を身につけ、今それを起業活動に活かしているといった具合です。


今の仕事につく際、英語力、海外経験はどのくらい役立ちましたか?
日本の経営は海外、特にアメリカの影響を多く受けています。マネジメント、マーケティング、ファイナンスやこれらのシステムなどなど…。だから、海外で成功したものを日本に持ってくるという、海外と日本の時差でビジネスが成立します。その点、海外の事例が英語で読めること分かることは随分なアドバンテージだったと思います。

それからビジネススクール(大学)で学んだことも、コンピューターインフォメーションシステム(大学院)で学んだことも、就職してもそのまま使えました。おかげで会社に入って学んだのは、コンサルタントがお客様に対して何をすべきかくらいです。なので、入社から4年後にはマネージャーになることが出来ました。


現在はどのくらい仕事で英語を使っていますか?
情報収集(Web検索、メールや電話の問い合わせ)程度です。職業柄、どちからかと言えば、日本語での表現(話すのも書くのも)に気を遣います。帰国し、仕事を始めた当初は日本語を書くための本を随分読み漁りました。帰国当時は、本当に日本語が書けなくなっており、最初の上司は僕を馬鹿だと思っていたはずです(笑)。


海外に出てみて、一番良かったと思うことはなんですか?
視野が広がったことと、何でもチャレンジすればできると思えるようになったことです。


これから海外で生活しようと考えている人にアドバイスをお願いします。
アメリカ生活での7年間を通じて知り合った100人以上の日本人のうち、予定通り学校を卒業して帰ったのは半分もいなかったし、卒業しても思うような就職をした人は更に半分くらいだったと思います。留学、特に大学・大学院留学は、安い投資でもないし、時間も食うので、目的が明確でなく、ただ留学したいと言う気持ちだけならその時はやめて、目標ができるまで待ってみるのも手だと思います。なかなか留学費用の投資回収ができるぐらいの仕事をするのは大変ですし。

ですが、目標を持てば、学業という意味では自分の取り組み次第で、日本の大学で学ぶのとは比較にならないくらい実践的に吸収できます。日本に帰ってきていろんなトレーニングとか受けたけど、アメリカの大学の授業の方が充実してたと思うくらいです(笑)。
 

<株式会社アライク>

2006年に設立。自分が行ったお店や気になるお店をクリップし、友人と情報共有・交換できるライフスタイル・クリップサイト 「Alike.jp(アライク)」の運営の他、イベント企画、ビジネスコンサルティング等を行っている。



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