留学

仕事につながる海外体験談


興味があるなら、海外にはできるだけ早く出てみた方が良い。
rumiko toritsuka
海外での体験を生かして、仕事をしている人にお話をうかがう「仕事につながる海外体験談」。

今回は大学時代にアメリカとオランダに留学し、現在はオリンパス株式会社に勤務、香港での海外勤務の経験もある阿部良子さんにお話をうかがいました。


初めて海外に出たのはいつですか?
大学3年のときです。交換留学で、アメリカのオハイオ州にあるケニヨン大学に留学しました。大学に入る前に、シアトルの語学学校に少し通いましたが、ほとんど英語がわからぬまま、大学での留学生活がスタートしました。


現地での生活はどんなものでしたか?
アメリカ留学時代の友だちと
1500人いた学生のうち、日本人は私の知っている限り2人、そのうち、英語が出来ないのは私だけ、という状況でした(笑)。寮に入ったのですが、ルームメイトがロシア人で、あまり英語ができず、これでは私の英語もあまり上達しないかも、と焦り、寮の事務室に押し掛け、「部屋を変えて欲しい」とものすごく拙い英語で押し切りました。

言葉がわからず、学内イベントも何をしているのかわからないながらも、「とりあえず行ってみる」積極性と根性を持ちつづけられたのは自分でもすごい、と思います。
全てが新鮮で、授業が終わってもキャンパスに残ってバイトもしました。でも、それ以外のほとんどの時間は勉強してましたよ。テキストはもちろん英語で時間かかるんですもん…。


カルチャーショックはありましたか?
最初は、言葉がわからなすぎて、カルチャーショックどころではありませんでした。授業は、日本の大学で専攻していたのと同じ社会学を専攻し、その他、歴史などを受講していました。でも、先生が何を言っているのかわからず…。友だちにノートを借りても、ハンドライティングが読めない…なんてことも。アメリカの歴史や、第二次世界大戦の歴史などはまだついていけましたが、「アメリカ・エンターテイメント」のテストのときは、問題を読んで初めて「ああ、授業でこんなこといってたんだ」とわかりました(笑)

でも、第二次世界大戦の歴史の授業のとき、アメリカの学生があまりにもアジアのこと(ヒロシマ・ナガサキ を含めて)を知らなかったのもカルチャーショックだったかな。

その他には、私がいた街は、やはりまだ白人が多いところだったので、日本人、というかアジア人だと言うだけでジロジロ見られたりしたことでしょうか。


英語力はどのくらいアップしましたか?
TOEICのスコアは、留学前から850点くらいあったんです。でも、会話はもう全然ダメで、海外に行くのもアメリカ留学が初めて、飛行機に乗るのも初めて、という状況。「トイレはどこですか?」って客室乗務員に聞くのに、辞書引きましたもん(笑)そのくらい話せなかったんですが、1年の留学を終えて、アメリカ横断旅行しているときに、知り合った人たちと話して、アメリカ人に間違われることが何度もあり、「ああ、私の英語も上達したのね」と感激しました。今は、TOEICは950点です。


アメリカ以外にも留学されたとか?
大学4年時にオランダの大学に留学しました。これも、大学からの派遣留学です。EUの歴史や、国際経営についての授業をとっていました。授業は全部英語で、通っていた大学の学生の8割は留学生だったので、共通語はもちろん英語。でも、オランダ人をはじめ、イタリア人や、スペイン人など、ネイティブじゃない人たちの英語は、なまりがきつく、最初は「せっかくアメリカで身につけた正しい英語が汚染されてしまう〜」と思っていました。でも、友だちがどんどん増え、色んなことを彼らと語り合っているうちに、英語を話す真の目的は、コミュニケーションを取ることで、「正しい英語」なんてないんだ、ということに改めて気づきました。それが、オランダで得たことの中で一番大きかったですね。


現在のお仕事は何ですか?
オリンパス株式会社映像システムカンパニー 映像営業本部 映像営業部に勤務しています。主な仕事内容は、中東からオセアニア諸国にある現地法人と代理店の営業活動支援です。


今の仕事につく際、英語力はどのくらい役立ちましたか?
海外営業専門で入社試験を受けたので、最終面接は英語でした。やはりそこで英語が出来なければ落とされていたと思いますので、英語は役に立っていると思います。


現在はどのくらい仕事で英語を使っていますか?
毎日使っています。中東からオセアニア諸国の営業活動をまとめているオフィスがシンガポールにあるので、シンガポール英語を聞くことが多いですね。海外出張も結構あるので、もちろんその際は英語を使います。
それから1年半くらい前に、香港支社に勤務していました。私の英語力だけが、香港勤務の決め手となったわけではないと思いますが、やはり英語が出来たことでそういうチャンスももらえたと思っています。


東南アジア青年の船に参加されたそうですが、きっかけ、そこでの経験について教えてください。
取材を受けたシンガポールの新聞記事
アメリカという一つの国でも、州によって文化が違ったり、ヨーロッパもそれこそ隣の国なのに言葉や文化は違いますよね。それと同じで、欧米では、ひとくくりにされることが多いアジアの国も、それぞれ文化は全く違うんだろうな、ということを漠然と考えているときに、アジア青年の船の存在を知りました。行程は全部で2カ月、日本を入れて10カ国が参加するアジア青年の船は、合計約340名が船内で生活を共にし、参加国を訪問しました。国際交流が主な目的で、訪れた国の新聞社から日本のことについてインタビューを受けたりもしましたよ。


その間、会社はお休みしたんですか?
そうなんです、休職扱いにしてもらいました。「前例がない!」と最初は少し揉めたのですが、上司が「いい経験になる」って人事を説得してくれ、仕事を辞めず、参加することができました。感謝しています。


海外に出てみて、一番良かったと思うことはなんですか?
オランダの学生寮で、帰国前に
単純に情報量が増えること、あとは国籍問わず、友だちが増えることです。海外に出る前は、日本の価値観しか知らなかったけど、色んな世界を見た今、良い意味で、細かいことが気にならなくなりました。
あとは、アメリカ、オランダの留学を通して、気楽で自分らしくいられたので、「私って欧米の個人主義が合ってるのね」と思っていたんですが、青年の船で、東南アジアの人、特にタイ人とすごく仲良くなり、彼らのいつでもどこでもベタベタ仲良し、というのも悪くないな、と思う自分がいて、新たな発見でした。あとは、宗教のこと、特にイスラムに対する知識がなかったのですが、青年の船に乗って、イスラム教徒と話したり、イスラムの国を訪れたりして、色々学ぶことは多かったです。


これから海外で生活しようと考えている人にアドバイスをお願いします。
今、私が思うのは、1年でも2年でも「もっと早く海外に出てみれば良かった」ということです。海外で生活するのが合わない人ももちろんいると思いますが、一度出てみて、いやだったら次に行かなきゃいいわけですし、とりあえず、「留学したい、海外に行きたい」と思っている人は、行くべきだと思います。行かない言い訳はいくらでもできますが、気づいたときには年を取って、時間がなくなっていたりしますよ〜(笑)まあ、これは留学だけではなく、何をするにも共通することだと思いますけど。



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