留学


Studying Music in London
音楽大好き 充実のロンドン留学

UK Report
from Tomoko Mase in London

2001年3月まで掲載していたダイアリスト長谷川さんの友人であるタミーこと間瀬さんの、パワフルかつ洞察深いダイアリー。現在、音楽プロデューサーを目指してロンドン・カレッジ オブ プリンティングに留学中。


ソールスベリーを往く(前編) 〜ストーンヘンジと口蹄疫〜


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かれこれ7年来の友人サトル君。アメリカ・メイン州への語学留学がきっかけで知り合った

友人のサトル君がロンドンに遊びに来た。
数日後、ロンドン観光に飽きた彼は、「ちょっと郊外に行って来る」と電車で約1時間半の小さな街 Salisbury(ソールスベリー)に出かけていった。その夜、彼から電話があり「明日はストーンヘンジを見に行くつもりだから、時間があったら来れば?」と言う。 ストーンヘンジはソールスベリーからバスで約40分のところにあるらしい。ナスターシャ・キンスキー主演の映画、“Tess(テス)”もストーンヘンジで悲劇の幕を閉じたし、前からあのミステリアスな石の群像を見てみたかったのだ。折良く、学校の課題をすべて終わらせたところだったので、彼が宿泊しているソールスベリーで翌朝、待ち合わせすることになった。

久しくロンドン市内を出ていなかった私の目に、この小さな田舎町はとても新鮮に映った。駅のインフォメーションでもらった地図を頼りに彼が滞在するホテルを目指そうと思ったが、「おー、この小川可愛い!」「このイカした建物はなんだろう?」と興味津々で写 真を撮ったり、店をのぞいたりしているウチに道に迷ってしまった。

「すみませーん、カテドラル・ホテルはどこですか?」と交通整理のおじさんに道を聞くと、「ああ、この道を右に行って左手にあるよ、man!」と親切に教えてくれた。この、最後の“man!”ってさっきもコーヒー買った店で言ってたなあ。ロンドンでは女性に対してあまりこういう言い方はしないけど、ここでは親愛の表現なのか?などと考えながら歩いていると、向こうからサトルが歩いてきた。180センチの長身の彼は遠くからでも目立つ。

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幻となってしまった「ストーンヘンジ」。原因が口蹄疫とは、これまたミステリアス

「11時にストーンヘンジ行きのバスが出るらしい」ということで、早速バスステーションに向かう。止まっていたバス数台の行き先をチェックしてみたのだが、どれが目的のバスなのかよくわからない。「ちょっと聞いてくるよ」とサトルがオフィスに聞きに行った。数分後、戻ってきた彼曰く、「ストーンヘンジ、閉まってるって!」。 ナニ? そろそろ観光シーズンだというのに、閉まっているとはおかしい。バス停の掲示板を見てみると 『周辺地域に Foot and Mouth Disease(口蹄疫)が発生したため、しばらくストーンヘンジは閉鎖します』 とあった。

この“Foot and Mouth”というウイルス性の病気は現在、英国で猛威を振るっている(3月現在)。2つにわかれた蹄をもった動物、羊や豚、牛などにしか感染しない、ということだけれど、その感染力は非常に強く、ウイルスのいる土地を踏んだ足で新しい土地に踏み入るだけで、その地域の動物に感染する可能性がある、ともいわれている。最近、感染が確認された家畜を飼っていた農家が、所有するすべての家畜を射殺、焼却処分した、というニュースも報道された。日本政府もこの病気が流入することを恐れ、成田空港でイギリスからの直行便を利用した乗客すべての靴を消毒マットを敷いて消毒しているらしい。狂牛病の恐怖がさめやらないイギリスでは“汚染地域の家畜すべてを処分すべきだ”という過剰反応と思えるほどの政府の強硬な姿勢に、一部の農家が大反発、という状態が続いている。

ストーンヘンジが見られない、というのでは仕方がない。カフェで遅い朝食をとりながら、今後の予定を考えていたのだが、サトルは「Penzance(ペンザンス)に行く」と言う。私はソールスベリーに着いたばかりだったし、ここから電車で6時間もかかるペンザンスにゆっくり滞在できる時間もないので、結局、別 行動をとることになった。
駅で彼を見送った後、ソールスベリー探検に繰り出す。

次回は、“タミーのソールスベリー観光案内”をお届け。



●Language Box●
man:「人、人類、人間」という一般的な意味のほかに、《呼びかけで》おまえ/あんた
興味津々で:with great interest
口蹄疫:foot-and-mouth disease
(人・動物)が<病気>に感染する:be infected/contract by infection/get an infection
(病気)が<人・動物>に感染する:be transmitted
(伝染病などの)発生:outbreak of 〜
過剰反応:overreaction

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from Tomoko Mase
間瀬さんのプロフィールはこちら


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