Starting Out in London
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UK Report from Tomoko Mase 大学院の課題に追われる長谷川さんに代わり、「レディング・フェス」レポート」にも登場のタミーこと間瀬さんが、期間限定でダイアリーをお届け! |
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英国と戦争──IWMを訪ねて イギリスは軍隊保持国である。National Militaly Serviceに参加を呼びかけるテレビコマーシャルは毎日のように放映されているし、空軍宣伝のためのフライヤーがレストランのレジ横に置かれていたりする。「軍隊」というものに不慣れな私も、最初のうちこそ「おや?」と思ったが、今では特に意識することもない。
地下1階の数ブロックを見終わったところで、私は目眩と吐き気を感じた。これ以上ここにいたくない、という気分に襲われた。何を見るわけでもなく、ぼんやりと立ち尽くしていると、近くにいた祖父と孫らしきふたりの会話が聞こえてきた。「これ、どこの国の軍服?」 「これはソビエトのだな。隣にあるのがブリティッシュだ。こっちの方が洗練されていて格好いいだろう?」 私の母は、彼女の父親に会ったことがない。生まれた彼女に会う前に、満州で戦死してしまったからだ。だから母は絶対的に反戦派で、私もそういう風に教えられてきた。「軍服が格好いい」などと言おうものなら、数時間のお説教は逃れられない。この少年とお祖父さんの会話を聞いて、先程から私の感じていたものが何か、はっきりとわかった。強い嫌悪感である。 特に衝撃的な写真や映像があるわけではない。むしろ、古代の遺物を展示するように、歴史の証拠が淡々と並べられているだけ。前線の戦闘用壕や戦時中のロンドン市街・防空壕が再現され、実際にその中に入って戦闘や空襲シミュレーションを体験できる Trench Experience や Britz Experience に至っては、まるで遊園地のアトラクションである。恐竜の模型を見るように、戦闘機を眺める人々。展示する側にも見る側にも、戦争は人を殺す、という感傷がまったくない。私にはその客観性が、血を見るよりも血生臭く感じられた。
悲惨な戦争、そして敗戦。徹底した平和教育。私のアイデンティティーは日本の完全平和主義によって築かれた。それを疑うことすらなかった。しかし私は今、渡英後初めて深い観念的ギャップに出会い、強い戸惑いを感じずにはいられないのである。 住所:Imperial War Museum, Lambeth Road, London SE1 6HZ, United Kingdom アクセス:地下鉄最寄り駅Lambeth NorthよりKennington Rd.をLambeth方面へ徒歩5分。 Elephant & Castle駅よりSt.George's Rd.を直進、徒歩10分。
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編集 萩村 |
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