留学


Taking the First Step in London
社会人留学 ロンドンの第一歩

UK Report
from Naoko Hasegawa in London

編集者人生を一時棚に上げ、視野と経験を広げるために大学院留学を決行するも、予想外のハプニングに右往左往。

 
Coffee Break at London

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お店の外観
ロンドンは、ある意味、イギリス臭というのは薄い街だと思う。そこら辺、よそのイギリスの街で本格的に暮らしたことがないので、定かではないけれど。ステレオタイプ的な見方を持ち込むのも嫌だし、偏見をもたずに生活したいと思っているのだが、それでも「やっぱり、イギリスだわ」と思わされることが、時たまある。卑近な例を挙げると、コーヒーが不味い。そして紅茶は美味しい。私は、ここに来て以来、「茶葉がジャンピングできるように丸いポットを使い、ポットとカップを温めて・・・」なんてことを、イギリス人がやっている場面 に出くわした試しがない。みんな、スーパーでティーバッグを買ってきて、ポットかカップに直接投げ込んで、電気ポットでわかしたお湯をゴーっと注いで、冷蔵庫から出したミルクを入れて完成。でもその、スーパーのティーバッグが美味しい。それに引き替え・・・である。

コーヒーは、街中のカフェやデリなど、どこでも飲んだり、テイクアウトしたりできる。しかし、だ。ある日、私はロンドン歴が長い友人と街中を歩いていて、不意に「急性コーヒー飲みたい症」に襲われた。そのとき、友人は来たばかりのに私に「コーヒーは、どこでも買えるけど、美味しいところ以外は、間違いなく不味いのよ」と諭したのだった(筆者注・日本では「美味しいところ以外」は「不味い」と「普通 」の範疇があるが、ロンドンには「普通」が欠落している)。が、結局、コーヒー飲みたい衝動にあらがえなかった私たちは、その場近くにあった、見知らぬスタンドで、コーヒーを買ってしまい、それは「どうやったら、こんなに不味くコーヒーを入れることができるの?」ってぐらい不味く、友人は「ほらね」って顔をしたのだった。そういうわけで、安全策としては、ロンドンでも急成長のスターバックスに入るのが確実。スタバがその場になければ、とにかくイタリア式の、その場でコーヒーをブシューッと入れてくれる圧力マシンのある、チェーン店系で妥協するわけだ。このマシンは、たぶんこ数年で、ロンドンに「普通」をもたらしてくれているのかもしれない(昔ながらのカフェやデリのコーヒーは作り置き)。

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パッケージもシンプルでかわいい。どの豆を買っても同じ袋ですが「COSTA RICA」など、豆の名前の入った透明シールをしたのほうに貼ってくれます
で、わがフラットメイトほか、多くの人が「ロンドンじゃいちばん美味しいんじゃない?」とおすすめなのが Covent Garden に近い Monmouth Street にある Monmouth Coffee Company だ。間口の狭い店に入ると、10数種類のコーヒーが、パウンド売りで並んでいて、使う器具にあわせて挽いてくれる。テイクアウトや、Sampling Room と呼ばれる奥のスペースでも飲めて、ここでは25ペンス(およそ50円)で、各種コーヒーを少量 飲む「テイスティング」も可能。オーナーのアニタ・リ・ロイがこの店を始めたのは23年前。彼女は独自のルートで世界中のコーヒー生産者から、ダイレクトに豆を仕入れていて、店の地下で少しずつローストしているから、とにかくここに行けばロンドンでは貴重稀なる、薫り高いコーヒーの世界を堪能できるというわけだ。実際、店の中にいると、香ばしい匂いがいつも漂っていて・・・そう、コーヒーって、飲む以上に、香りに囲まれているのが楽しいわけで、解体した昔の建物から出た廃材を利用した Sampling Room の狭っくるしいけど、妙に落ち着くインテリアの中にいること自体がコーヒー党にとっては至福。

そんな訳で、紅茶もいいけど、やっぱり仕事のお供に、朝の覚醒のために、コーヒーが必要な人たちにとって、ここは重要なスポット。23年続いている店にも関わらず、支店などもない。「いかにもアメリカン・フード・インダストリー」的なスターバックスと違って、店内の手書きの看板、「昔ながら」風の飾り気のない、シンプルですっきりとしたパッケージなど、そのデザインのところどころに、「商売を大きくも小さくもせず、品質をきっちり守る」という、ロンドン流の美学が表れているようだ。ロンドンに来て、Covent Garden に寄るようなことがあれば、おすすめのスポットです。

Monmouth Coffee House
27 Monmouth Street, London WC2
(最寄り駅はCovent GardenかLeicester Square)
TEL:020 7836 5272



●Language Box●
偏見:prejudice
出くわす:encounter
急性の:acute
衝動:impulse
チェーン店:chain store(米)/multiple store(英)
コーヒー党:coffee-drinker
美学:aesthetics


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from Naoko Hasegawa in London
長谷川直子 
60's東京生まれ。デザイン誌の編集者として約9年の激務を経て、99年12月に本格的に渡英。現在London College of Printingで「Enterprise and Management for Creative Arts」(デザインマネージメント)MAコースを履修中。

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