留学


Taking the First Step in London
社会人留学 ロンドンの第一歩

UK Report
from Naoko Hasegawa in London

編集者人生を一時棚に上げ、視野と経験を広げるために大学院留学を決行するも、予想外のハプニングに右往左往。

 
「ロンドンでの待ち合わせは Books & Cafe」

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Oxford Street沿いで、Oxford CircusとTottenham Court Raodの中間にあるBORDERSの外観
「直子さん、こんなこと、あっていいんですかね」(若者・男子口調)って表現で、私がロンドンに着いたばかりのときに、ロンドン先住民のコウタロウ君(メンズ・ファッションを学ぶ日本人学生)が、教えてくれた本屋さんがある。

Oxford CircusとTottenham Court Roadの間にある書店BORDERSがそれだ。グラウンドフロアから4th フロア(日本でいう5階)まで、本と雑誌はもちろん、世界中の新聞、業界紙、CD、ビデオ、ステイショナリーまでカバーしている総合書店だが、私がこの店に頻繁に出向く理由は、2nd フロアにあるカフェ。

冒頭のコウタロウ君の言葉は、ここのカフェを指しているのだが、何が彼をそう言わしめているかというと・・・。売り場内にあるこのカフェは、書店内にある本(商品)を自由に持ち込むことができ、コーヒーを飲んだりサンドイッチやデザート類を食べながら、そこで読むことができる。読むどころか2〜3時間そこに居座って、必要箇所をメモったり、暇ならそのカフェで軽く短編を読破して、本はそのまま置き去りに、レジを素通 りして帰ることができるのだ。これはもう、使うしかない。

そんなわけで、ここは、エッセイに「必要だけど、買うまでには至らない資料」を書き写 す貧乏な学生(私を代表とする)に、いや学生だけでなく、「しまりや」(ケチともいう)のロンドナーに大人気なのだ。椅子だって、運が良ければ、Oxford Streetを見下ろす窓辺のカウチに座れるし、その他の席も(学食並みだけど)悪くない。さらに「Filter Coffee」を1.10ポンド(約170円)で注文すると、カップだけ渡されて、あとはカウンターの端に並んでいるポットから延々おかわり自由。しかもポットにはハウスブレンドからデカフェ、フレーバーコーヒーも2、3種と、バラエティがあって(作り置きだが)、店自体が「どーぞ、本買わないでズーっとここにいてください」って大声でふれているようなもの。カフェに持ち込まれた本は、店員が時々フロアを歩き回りながら回収して書棚に戻している。結果 として、新品の本屋さんなのに商品の本はかなりダメージを受けているのだが、イギリス人は売る方も買う方もそんなこと気にしない(のだと思う)。

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午前中に行けば、こんな感じでノンビリ過ごせる
カフェの他にも店内の至るところにソファや椅子が置いてあり、みんな立ち読みどころか座り読み状態。カフェ以外の部分も、ミニコンサートが行なわれたり、トークショーが開かれるようなスペースがあり、著者の講演会やサイン会なども頻繁に開かれている。児童書のコーナーにも小さな広場があり、小学生くらいの子供たちを集めて、児童書の朗読会が行なわれていて、日本の書店の「狭い売り場スペースにいかに効率的に本を並べるか」スタイルに慣れてる私には驚き。

雑誌の動向が気になる私としては、グラウンドフロアのmagazineコーナーの充実度がありがたいことと、場所もわかりやすいし(観光で来た、一時滞在者でも大丈夫)、待たされても本を読みながら時間が潰せるので、人との待ち合わせや時間潰しによく使っている。で、「使わせて貰ってる」感があるので、なんだかんだいって、ここで本を買っている。つまり、そこらへんが、彼らの戦略ということか。

聞くところによると、このBORDERSはアメリカ資本らしく、このお店のスタイルもアメリカでスタートしたそうだ。品揃えの面 でいうと、アート&デザイン関係の本を探そうと思うとやや不満足だったり、発刊間もない頃積み上げられていた本が、しばらくして行ってみると一冊も在庫がなかったり、と、そういうところはアメリカンな感じがする。 それでも、電車内でマンガ本(というのが存在しない)を読む人は見かけないこの国の人たちにとっては、重宝なスポットになっているはず。イギリスの本の値段は、ペーパーバック類に関していえば安くないので、読み切れるかどうかわからない本を買うことを決意するには、わりと尻込みしがちなのだが、ここならじっくり座って、イントロダクション部分を読んだりできるので、「あ、これなら読み切れそう」と思って買ったりと、本に近づくためには、私にとっても重宝な場所だったりする。

BORDERS BOOKS AND MUSIC 197-213 Oxford Street


●Language Box●
1階:ground floor(英)/1st floor(米)
2階:1st floor(英)/2nd floor(米)
本を読破する:read a book right through
締まり屋:stingy
新品:brand-new
朗読会:story hour
重宝な:useful


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長谷川直子 
60's東京生まれ。デザイン誌の編集者として約9年の激務を経て、99年12月に本格的に渡英。現在London College of Printingで「Enterprise and Management for Creative Arts」(デザインマネージメント)MAコースを履修中。

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