留学


社会人留学 ロンドンの第一歩

UK Report
from Naoko Hasegawa in London

編集者人生を一時棚に上げ、視野と経験を広げるために大学院留学を決行するも、予想外のハプニングに右往左往。

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ベニスへの旅 ベネチア国際建築展でまたも体力負け・・・

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津村耕祐さんの母子一体型服が展示された日本館ピロティ

ロンドン日記が、先週から2週続けて「ベニス旅行記」で申し訳ない。

ベニスで2組の日本人の女の子たちと話す機会があり、なんと全員がイギリス留学中、うち2人は「帰国前旅行」。そ、ヨーロッパいる間に、よね。なんせ飛行機代、6月でBA(British Airways)で3万円弱。ホテルもダブルで9000円くらいだから、1人あたりさらに半額。ゴージャスじゃないけど、OKなホテルだった。

さて、ベニス行きの本題は「The 7th International Architecture Exhibition」を見に来たのだ。日本からヨーロッパ各地を旅行中の元同僚ノブコ女史も、「ロストバゲージでさー、この旅行中、2度目!」と嘆きつつ、軽い身のこなしで、本人は無事ホテルに到着して合流(教訓:ヨーロッパ内フライトは、必ず下着1組、Tシャツ1枚、歯ブラシを手荷物に。それさえしとけば、飛行機会社が、大荷物をホテルに宅配してくれてラク?)。じゃ、そろそろ出動しますか。

ベネチアの東南、Giardini di Castelloと、その裏手Arsenale di Veneziaは、奇数年の6月〜9月、現代美術ビエンナーレ(百年以上の歴史を持つヨーロッパ最大規模の展覧会)の会場として有名。偶数年の今年は、同じ団体開催の国際建築展で、「Less Aesthetics More Ethics (美学はもういい、もっと倫理を)」が今回の全体テーマで、37カ
国から82組の建築家が参加している。

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第一会場の日本館は清冽なモダン建築。展示の一環として木の幹を白い布で覆い、白砂利を敷き、地面 には造花の白いデイジーを方眼状に植え、いまの少女たちの奇妙な、そして人工的(?)な無垢さを表現

第一会場のGiardiniには、国別に「ビエンナーレ」専用の展示棟が建っていて、初めての私は驚いた。古いものは、第一次世界大戦前後の建物。入ってまっすぐの通 路突き当たりに巨大なイタリア館があるのはもちろん、そこにスペインが並び、もうひとつのメイン通 路の突き当たりにはイギリスが、その両脇をドイツとフランスが固め、ロシア、デンマーク、ベネズエラ、スイス等が続く。初期に建った建物のあいだに後から建物が割り込んでいるから、ずばりじゃないけど国の並び方に当時のイタリアの世界観が反映してそうだし、建物の表情も、イギリス館は「いかにもGREAT BRITAIN」で偉そうだったり、当時の状況を物語っているようで面白い。日本館はル・コルビジェに師事した吉阪隆正の設計で、第二次大戦後の1956年に竣工。非常に清冽な印象のモダン建築で、屋根に空けられた穴からの光の柱が、二階の床を貫通 し、地階のピロティ(広場)に届いていたり、凛とした緊張感と心地よさが同居した建物。

で、肝心の内容。日本館は磯崎新御大のもと、建築家・妹島和世+西沢立衛、それにファッションの津村耕佑、写 真のHellen van Meene、アーティストできやよいが参加し、タイトルは「少女都市」。いまの日本でいちばん存在感のある「少女」で、時代感を表現したってところでしょうか(妥当)。

その他の国では、展示自体は超そっけなくてもカウンターに超親切なお姉さんを配置、毎日ある面 白そうなイベント内容をしつこいまでに教えてくれるフランス館、「とりあえず、寝転がって考えよう」と館内上足、寝椅子とコーラの自販機を設置したオランダ館、古典的なドローイングとインスタレーションで建築と歴史の関係を表現したロシア館、モダンな彫刻作品のような美しい木の模型で正統的な印象の展示だったデンマーク館が個人的には印象的。

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第二会場終了間際、ドック(船の係留所)に石庭を浮かべた大御所ハンス・ホラインの展示には「やられた」という感じ

第二会場のArsenaleは、本来の機能は造船所。ここは国別展示ではなく、各国の若手の個別 展示と、壁280mにビデオ映像、奥のドック部分に大御所の個別展示が続く。「この通 路何キロあるの?」という建物は、それもそのはず、元ロープ工場。見ても見てもまだまだ続くよ建築家、「頭ぼー」としたところで終着点。「見た、一応。全部」というノブコ女史のつぶやきに、疲労で声も出ないまま頷いた私であった。

建築好きで9月までにベニスに行かれる方にはおすすめ。芯から建築好きな人は両会場を2日間に分けて見たほうが良いです。そうでもない人は展示内容を細かく見なくても、会場の環境を見るだけでも、面 白いっす。 

資料提供:ノブコ女史←thanks!


 関連リンク
 ベネチア・ビエンナーレ公式サイト


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長谷川直子 
60's東京生まれ。デザイン誌の編集者として約9年の激務を経て、99年12月に本格的に渡英。現在London College of Printingで「Enterprise and Management for Creative Arts」(デザインマネージメント)MAコースを履修中。


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