留学


社会人留学 ロンドンの第一歩

UK Report
from Naoko Hasegawa in London

編集者人生を一時棚に上げ、視野と経験を広げるために大学院留学を決行するも、予想外のハプニングに右往左往。

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「毎日なにやってんの?」と言われても・・・学校は大変だ

日本の友人に学校のことや生活のことを説明すると「へー授業、週1日しかないんだ。じゃ、あと何やってんの?」と、よく聞かれる。これを言われると、当たり前だけど「あ、この人、日本にいる人なんだ」と思う。

他のコースメイトと違い(留学生の実力レベルによっても違うと思うけれど)、週に1日とはいえ、外国人がMA のカリキュラムについて行くのは大変だ。まず、講義についていけないので、私はテープにとっている。しかし実際、これを聞き返しても、ライヴで聞き取れなかったものを、テープで自力で聞き取るというのは、ほぼ無理。「聞き取れ度」具合は講師の話し方によっても、授業のトピックスによっても違うが、現状、私の妥協点としては、「聞き取れた内容と配られる資料から大まかな方向性を把握し、興味のある部分に関しては、聞くなり調べるなりする」ということ。配られる資料といっても、他のコースメイトと違って、私の場合、パッと見て内容がわかるわけじゃないから、帰ってから辞書と首っ引きとなる。

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ごちゃごちゃの状況は私の頭のなかそのもの・・・

Finnance やIT (コンピュータ系の授業)など、いままで身近でなかった分野の方が、初歩的な計算だったりコンピュータ操作だったりしたので、レクチャー系の授業よりラクだと思っていたのだが、内容が深化するにつれて、逆に身近でないだけどんどん厳しくなってきた。これは、復習およびセルフスタディでカバーしなければならない。これまた時間が必要。はっきり言ってまったく興味の持てない授業もあるので、そういう授業は捨てることにした。

それプラス論文などの各自リサーチがある。資料を集めるにも、まずどこにいくのかを探るところから始める。図書館か、インターネットで探すか、その分野に詳しそうな人に聞きに行くか、雑誌社に関連記事の問い合わせをするほうがいいのか・・・日本であれば「ここにありそう」という“匂い”がわかるのだが、イギリスでは、それがまだ嗅ぎとれないから困る。で、実際、当事者に聞くという手段をとるにしても、その当事者にどういう風に近づいていったらいいのかが問題。

例えば、この間提出した論文は「イギリスと日本の郵便局における切手デザインのアプローチ」みたいなテーマだったので、最終的には両方の郵便局に問い合わせをした。日本の場合は、「お客様相談課」的なセクションの人がこちらの要求を聞いた上で、情報を集めてくれ、さらに深い部分に関しては直接担当者へとつないでくれる。担当者は仕事の大まかな部分から細かい所まで把握してくれるので、2人の人に話すだけで、ある程度の内容は貰える。

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初めて提出したエッセイのプレゼンテーション中。「シャベリ」がマズイ分、「ものを見せてカバー」しようとしたのだが、「えっと……」とツマリ気味で、小学生がやる紙芝居かあっ?てなことに

しかし、イギリスは分業意識が強いので、PR 担当者はすでにつくられたPRドキュメントをくれるのみ、「あとのことはわからないわ、マーケティングに聞いてみれば? 電話番号教えるから」。マーケティングのセクションに電話をかけると、これがまた巨大な組織で、スタンプ・マーケティングか、コンシューマー・マーケティングか、あっちこっちに電話しないと要領を得ない。で、新しい相手ごとに、自分が何者かを説明し、聞きたいこととその目的を説明し・・・の繰り返し。いまだに、電話で問い合わせは緊張するし、一度話がわかんなくなるとかえってややこしいことになったりで、これを1日やってると本当に疲れる。でも一度、担当者に行き着くと、かなり率直に事実を教えてくれたりするので「バットの芯に当たった感」はある。

そんな感じだ。それに加えて、「アカデミックライティング」のクラスがある。英語以外の母国語の学生に「論文の書き方」を教えるコースで、これは大学の関係機関が組織している語学センターで、無料で受けられる。が、これも、私にはこの授業を受ける権利があるにも関わらず、センターやコースダイレクターと交渉しないと授業までたどり着けない。一時が万事そんな調子なので、はっきり言って、授業の復習とかもままならなかったりするくらい忙しい。これでフルタイムだったら・・・と考えるとゾッとする。

かつてはフルタイムじゃないと学生ビザもおりなかったし、日本人留学生の多くがフルタイムでMAなりPhD なりをやっていたと思う。友人によると「毎晩9時まで図書館にいたわよ」。そうだろうなー。英語の道は厳しくて遠い。さて、上記論文は、5月初旬に提出したのだが、思った通 りに再提出をくらいました。というわけで、再び暗くなってる私です。


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from Naoko Hasegawa in London
長谷川直子 
60's東京生まれ。デザイン誌の編集者として約9年の激務を経て、99年12月に本格的に渡英。現在London College of Printingで「Enterprise and Management for Creative Arts」(デザインマネージメント)MAコースを履修中。


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