留学


Studying in a Graduate School in Australia
オーストラリア大学院生活

Australia Report by Miwako Hobo
英語教師となるべく英語教授法(TEFL=Teaching English as a Foreign Language)を勉強中の保々実和子さん。つらく楽しいオーストラリアでの大学院生日記。

Hidden Secret!

荷物を頭に担いで川を渡る

最後の秘境と言われるキンバリーをキャンプカーに乗って旅している。舗装されてないGibb River Roadを4WDで弾みながら、がんがん土埃をたてながら走って行く。キンバリーはまさにアウトバックだ。雄大な大自然の中にある数々の迫力ある渓谷に滝。建物もなければ、人もいないし電気もない。ブッシュファイヤーで黒く焦げた、不毛にも見える脇道を通りぬけて歩いていくと、突然目の覚めるような美しい小池や滝壷が広がっている。

スイス人のローレンスが「Hidden secret!(聖なる秘境だ!)」と言ったが、まさにその言葉がぴったり。美しすぎる風景を私たちで一人、いや八人占めと、この上ない贅沢なのだ。水を見る度に、ガイドのマットに「ここにワニはいる?」とお決まりの質問をするものの、答えが「NO」ならば、「ィヤッホー!」と澄んだ水に飛び込む。暑い中のハイキングの後には最高のご褒美だ。そしてこの水がまた美味しいのだ。1リットル近い水筒も、蒸し暑いキンバリーのハイキングではすぐ空になってしまう。特に、脱水症状の前科がある私は、意識的に水を沢山飲むようにしているので、滝壷での水の補給は欠かせない。当り前だが、水道水よりずっといい。

雨季には渓谷全体が水に埋まってしまうというキンバリーだが、乾季でも水量は多く、場所によっては水深30メートルや50メートルなんて所もある。そこで覚えた遊びが「崖からのジャンプ」。まさに勇気だめしだ。私がトライした最高記録は15メートルほどの崖である。さすがにこの時はマットが心配して近くまで泳いできた。日本人は泳ぎが上手くない人が多く、体が小さい為、崖登りで体力を使いすぎて溺れてしまうことがある。だから、高い崖からのジャンプはさせたくないというのだ。「そりゃ偏見だ!」と私は一瞬むっとしたが、ガイドの重い責任を考えれば彼が正しい。キンバリーのような人里離れた土地で、事故でも起きようなら、Flying Doctor service(出張医療サービス)どころではない。ハイキングでほてった体を水で冷まし、たっぷり水を飲んだ後、私たちは岩の上に寝そべる。一面に広がる雄大な自然の中での静寂。言葉なんていらない。ただそこにいるだけで、気持ちがスーとしてくるのだ。

キャンプツアーでの毎日はシンプルだ。まず日の出と共に起きて、スワグ(オーストラリア産携帯マット)と寝袋を巻いて、4WDの屋根にのせる。朝ご飯をしっかり食べて活動開始。一日中、登ったり泳いだりとたっぷり冒険を楽しんだ後、夕日を眺める。そして、キャンプファイヤー用の薪を集めて夕飯を作り、食べて、片付けて、火の周りでまったりと語りあってから、スワグと寝袋の中で12時前には寝る。よく食べ、よく運動し、よく寝る。なんとも健康的な生活だ。日本での忙しい日常では、夕日に気を止めることなどなかった。実は日本の夕日もこんなにきれいだったのかな。

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