カンガルー島にも行き、すっかり満たされた私は、アデレードを北上しアリススプリングに向かう10日間の4WDキャンプツアーに乗っている。今回のツアー参加者
総勢10人-アメリカ人2人、カナダ人1人、オランダ人2人、ドイツ人1人、イスラエル人1人、イギリス人2人、そして日本人の私。パンフレットに"Warning:This
is not a bus tour"と書いてあったが、確かに快適なバスツアーからは程遠い。 前に2人、後ろに8人、TOYOTAの4WDに足と足がくっつくほどぎゅうぎゅうになって座っている私たち。あまりの座り心地の悪さに、長時間の移動だろうが全く眠くも
ならない。シンプソン砂漠の真っ只中、まさに"middle of nowhere"を孤独に走りつづける四駆の中、私たちはひたすら話し続けている。
ツアー5日目、ふと、英語で物を考えている自分に気づく。オーストラリアで留学生活を送っているといえど、なかなかここまで英語漬けになることはない。大学に行き、英語で講義を聞き、討論し、友達と雑談し、一日中英語で過ごしているように感じるけど、やっぱり自分の部屋や、バスの中、一人でいる時は素に戻り日本語で物を考えている。ところがここでは日本語で物を考えている暇がないのだ。まさに朝起きてからキャンプファイヤーを囲んでビールを片手に語り明かし寝付くまで、英語・英語・英語。正直、英語を母国語としない身としては、最初の数日間は非常にしんどい。日本語と違って集中しないと聞き取れない。情けないことに2年近く留学していたにもかかわらず、英語をずっと聞いているだけで、くたくたに疲れてしまうのだ。「もう限界だ!耳が英語を拒否している!」と感じた3日目、私は寝言で"Fuck
off !!"と大声で叫んで、両端で寝ていたローラとアンドレをびびらせてしまったらしい。ところが5日目、やっと耳と頭と体が英語だらけの生活に慣れてきたようだ。
もうすっかりお互いの存在にも慣れ、皆の性格がどんどんでてくる。最初は遠慮がちだったのにポンポンとジョークや野次が飛ぶようになってきた。
シャベルとトイレットペーパーを片手に森に用足しに消えていこうとする私にすかさず「大きいのをしに行くの?楽しんでこいよ!」とカナダ人のジョン。"None
of your business!"と叫び返す私。それにしても、ブッシュトイレにもすっかり慣れてしまったな。