Ireland Diary
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| 不屈のアイリッシュに乾杯! ワールドカップにアイルランドが参加する年は、いつも同じ事が起こる。それは多くの会社が試合のある日は、勤務時間を変更し、もしくは休日にしてしまう事である。通常勤務にすると、従業員は仮病を使って休んでしまうため、仕事の効率があがらない。それならいっそのこと、すっきりと試合観戦のチャンスを与えたほうがいいという考えだ。さて、6月11日はアイルランド対サウジアラビア戦であった。キックオフである午後12時半(日本時間の午後8時半)前になると、予想通りダブリンはゴーストタウンと化した。通りを歩いている人は殆どいない。犬や猫までもどこかに姿を消す。 動物はさておき、人々は皆、ユニフォームを着て、各々のローカルパブへ直行したのである。そしてパブには、大きなスクリーンテレビが準備され、国旗が飾り立てられている。 私はと言えば前日に、思いがけない友人から電話をもらい、午後、一緒に食事をする事になっていた。と言う訳で、私はアイルランドが試合開始6分後に、1点スコアを決めたのを見届けてから、街行きのバスに乗った。予想通りバスはがら空きだ。 正直なところ、アイルランドの試合を見たかったが、遠い異国から、はるばるやってきた友人をないがしろにして試合観戦はできない。試合の流れに思いを馳せながら、イタリア料理店で食事を済ませた頃、ユニフォームを着たアイルランド人達がレストランに入ってきた。注文した後、運ばれてきたパスタを黙々と食べている。私は胸の中でつぶやいた。こりゃ、だめだったに違いない。勝っていたら、アイリッシュがこんなに静かなはずがないのだ。 ところが嬉しい事に、私の失望感は大きく覆された。実は3対0でアイルランドがサウジに勝ってしたのである。静かだったのは、みな、まだパブで勝利の陶酔感をビールで全身に流し込んでいる最中だったからなのであった。 夜、11時を過ぎると、ダブリンの街は狂ったようににぎやかになった。車を国旗の色に合わせて、緑、白、オレンジで塗り分けた車がクラクションを鳴らして走り回る。それを見た人々は奇声を上げる。どの顔も喜びと誇りに満ちていたように感じた。 小さい国だけに、サッカーは愛国心の強いアイルランド人たちをより一層、強い絆で結びつける。照れることなく愛国心を表現する彼らは微笑ましい。日本で以前、君が代を歌う、歌わないが取りざたされたが、アイルランドではこのようなことは起こりえない。今は殆どみかけなくなったが、数年前までは、パブの終了時間には国歌が流された。その間だけは、どんなに騒がしいパブにも静けさが訪れた。そしてパブ中の老若男女が全員立ち上がって帽子を脱ぎ、一緒に国歌を歌っていたものだ。それを何度も目にするたびに、こんなに自国の文化・伝統を誇りにし、大事にできるアイルランド人を羨ましく思ったものだ。 今回のワールドカップは、アイルランドにとって大きな試練だったと言えよう。試合直前に、キャプテンであり、最有力選手のロイ・キーンが監督を侮辱したため、試合に参加しないことが決まり、これで駄目だろうという大方の心配を跳ね返すかのように、残りの選手が全力で戦ってきた。それだけに選手・国民、そしてアイルランドを日本の次に愛する私のようなサポーターにとって、この結果は非常に嬉しく、手が痛くなるまで拍手して止まないのである。
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ワールドカップにアイルランドが参加する年は、いつも同じ事が起こる。それは多くの会社が試合のある日は、勤務時間を変更し、もしくは休日にしてしまう事である。通常勤務にすると、従業員は仮病を使って休んでしまうため、仕事の効率があがらない。それならいっそのこと、すっきりと試合観戦のチャンスを与えたほうがいいという考えだ。








