海外で暮らす


Ireland Diary
アイルランド・ダイアリー

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Ireland Diary
from Kyoko Odamura

「一度しかない 人生、これでいいのか」と一念発起。今ではアイルランドで企業勤務とフリージャーナリストの2足のわらじを履き活躍中。

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再び幽霊の話

なぜアイルランドに幽霊が多いのか。私が思うに、アイルランド人は老若男女、幽霊に対して好意的というか、頭から馬鹿にするような事をせず、ある程度の敬意を払っているので、幽霊の方も、“そうか、それなら”ってな感じでこの国に住み着いているのだと考える。

アイルランド人の同僚がこんな話をしてくれた。今年の2月、別の同僚が仕事を終え、歩いて帰宅途中、ふっと目の前に男性が現れた。特に気にもとめなかったが、なぜか突然、その男性が同僚に向かって走ってきたのである。なんだ、こいつはと思った瞬間、その男性は同僚の身体をすり抜け、出てきた時と同様にふっと消えてしまったそうである。

アイルランド人に限らず、ここに住む日本人でも、幽霊を見た人は少なくない。またアイルランドは、妖精が未だに住んでいる唯一の国とも言われている。
考えてみれば、この国の宗教はキリスト教が以前は、ドルイド教という多神教であった。聖パトリックがやってくる前は、日本でやおろずの神が采配を振るっていたのと同様、多く神々が祭られていたのである。その名残りもあって、人々は超自然現象に抵抗がないのだろう。

ダブリンを歩くと、確かに幽霊と生身の人間が共存できる空気が流れている。たとえば通りでドラキュラ伯爵にばったり会ったら、「ハロー、パイントでも一緒に如何です?」と照れずに言えそうだし、また昔、北ダブリンの教会の塀によく現れたという、馬に乗った首のない騎士が踊り出てくれば、「驚かさないでくださいよ。それより乗馬を教えてくださいませんか」と頼めそうだから不思議である。加えてアイルランドのパブはパブリック・ハウスの言葉通り、誰でも受け入れてくれるから、幽霊と人間が肩を並べて飲んでいても、妙な干渉を受けずに、楽しく酔えそうだ。

去年の秋、街の真ん中にある聖クライスト・チャーチの地下で、拷問道具の写真を撮ろうとしたら、何度やってもフラッシュがつかず、そのうち一緒にいた霊感の強いフランス人の友人が、ここは随分、昔に多く人が殺された場所だから、気分が悪いと言ったことがあった。

日本も幽霊話には事欠かないし、日本人も幽霊話が大好きだ。やはりアイルランドと日本は似ているのかもしれない。日本人をアイルランドに引き寄せている魅力に関しては、この摩訶不思議さも一役買っているに違いない。

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From Kyoko Odamura
織田村恭子
さんのプロフィール

経済学部卒。日本のソフトウェア会社でプログラマー、
営業企画として勤務。1991年からはダブリンの日系企業にて勤務。 同時にフリーランスのフォトジャーナリスとして日本の出版社やダブリンの英字新聞へ寄稿中。

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