海外で暮らす


Ireland Diary
アイルランド・ダイアリー

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Ireland Diary
from Kyoko Odamura

「一度しかない 人生、これでいいのか」と一念発起。今ではアイルランドで企業勤務とフリージャーナリストの2足のわらじを履き活躍中。

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Imagine

数週間前のことである。パーティの最中、お酒が切れたのでビールの買い出しに行った中国人学生数人が、その帰りにアイルランド人のティーンエージャーにからかわれた事から口論となり、中国人男性一人が殴り殺されるという事件が、北ダブリンで起こった。

最初は二人だったアイルランド人のティーンエージャーは、携帯電話で応援を呼び、駆けつけた数人が加勢して、逃げ遅れた中国人を鉄パイプで殴ったのであった。なんとも痛ましい事件である。29歳の学生はダブリンに英語の勉強目的でやってきて、まだ1年になるかならないかだったと聞く。

新聞ではこれを、ここ数年、増加し続ける外国人―特に有色人種―に対する人種差別による攻撃だと激しく批判した。町では多くの中国人たちによる抗議デモが繰り広げられ、“人種差別反対”が叫ばれた。一方、外見上、区別がつきにくい日本人たちは、眉をひそめて、誤襲される心配をあちこちで語っていた。

よく注意してみると、同じ白人でも、ドイツ人かフランス人が最も偉いと判断され、次がイギリス人であり、イタリア人、スペイン人はその下に位置するのである。アイルランド人もイタリア人、スペイン人と同様に扱われている。そしてロシア人を始めとする東ヨーロッパ人は、二流白人という暗黙の判子が押されている。

加えて言うならば、黒人やアラブ人はかなり下に位置し、アジア人はそれより若干、上に位置付けられていると言う。

一体、どこからこのような差別が生まれてくるのだろうか。それは、何百年も昔に、多くの植民地を持ち、血なまぐさい戦いで勝利を納めた者の中に白人が多かったからなのかもしれない。そして現在の経済状況が強者、弱者を分ける要素にもなっているのに違いない。

いつの日か、世の中から差別がなくなる事があるかしらと考える。悲しいことに、人間という生き物は、自分が何処かで人より優れていると考えたがる傾向があるようである。

差別というテーマにぶつかるたびに、ジョン・レノンの歌、イマジンを口ずさむ。そして彼が差別のない理想世界を歌った背景には、オノ・ヨーコという有色人種と結婚し、不愉快な差別を経験したからなのだろうかと思ってみたりする。

差別は間違った教育や、無知から生まれると私は信じている。私たちは目の色、肌の色が違っても皆、赤い血が流れ、喜怒哀楽を感じる心を持った同じ人間なのである。

異人種攻撃の記事を読むたびに、Imagineが実現するのに、あと何百年かかるのだろう、いや一体、実現するのだろうかと思いは巡り巡って溜め息に終わるこのごろである。



Ireland Report
From Kyoko Odamura
織田村恭子
さんのプロフィール

経済学部卒。日本のソフトウェア会社でプログラマー、
営業企画として勤務。1991年からはダブリンの日系企業にて勤務。 同時にフリーランスのフォトジャーナリスとして日本の出版社やダブリンの英字新聞へ寄稿中。

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