海外で暮らす


Resident in a Different Culture
海外子育て アイルランドに暮らして

Ireland Report
from Rieko Yamashita in Dublin


家も買ったし、次は子育て。アイリッシュダンスに魅せられてこの地に住み着いた日本人がダブリンの暮らしをレポート。

アイルランドの景気に翳り


町中は今でも建設ラッシュだけれど・・・
「アイルランドは経済絶好調」とこのコーナーでも書いてきたが、今年に入ってマイナス要因が目立ってきた。ずっと2ケタ成長だった経済成長率もスローダウン(といってもマイナス成長ではなく、成長率が下がっただけなのだが)。「ケルティック・タイガー」の雄叫びもちょっと元気がない。

原因その1は、アメリカの不景気。アイルランドの経済発展に大きく貢献してきたのが、マイクロソフトやインテルといったアメリカのテクノロジー産業。アイルランド政府による法人税優遇政策によって、多くの企業がアイルランドに工場を建設してきた。ところが、アメリカ国内で不況の兆しが見えた途端、人員を削減したり、増築を延期したりといった企業が目立つ。「米企業は進出するときも、縮小するときもスピーディーだな」と驚くばかりだ。アメリカ系企業だけでなく、絶好調だったソフトウェア業界全体に影響が及んでいる。先日も、アイルランドの新進ソフトウェア・カンパニーに勤める知人がいきなり首を切られたそうだ。それも親会社の倒産が理由で社員の4割がレイオフされたとか。なんだか怪しい雲行きだ。

買いもので賑わうダブリン。貯蓄率が低いので、アイルランド政府は国民に貯金をするよう勧めている
原因その2は口蹄疫。実際にはアイルランドでは数例しか発生していないのだが、人の往き来を制限する厳しい規制が続いている。農業への打撃はいうまでもなく、観光やエンターテイメントといったビジネスにも影響大。なにしろ、観光地はどこも閉鎖、イベントは中止という状況が続いた。英国並みに伝染病の被害が広がっていないことがせめてもの救いか。

原因その3は賃上げによる競争力の低下。スト騒ぎの話 は以前にも書いたが、2〜3割のベースアップを要求する労働争議が続いている。誰もが好景気の恩恵を受けたいと願うのは当然のこと。でも、そのために外国企業を誘地する際の売り文句だった「低コスト」が保てなくなる。特に中小企業は経営が苦しいらしい。

日本も不況から抜け出そうもないし、いよいよ世界的不況時代突入となるのだろうか。とはいっても、好景気でも不景気でも生活に変りないわが家(万年不況なのです)。相変わらずロト(宝くじ)に夢を託しながら、親子3人で質素な生活を続けている。だから、不景気なんて怖くないのだ(なんだか情けない気もするけど)。


●Language Box●
マイナス要因:negative factor
経済成長率:economic growth rate
法人税:corporation tax
雲行きが怪しくなる:take a dark turn
口蹄疫:foot-and-mouth disease
労働争議:labor dispute



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Ireland Report
from Rieko Yamashita in Dublin
山下理恵子 
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ナマ情報に触れられると大好評のワールド・ダイアリー。読者の方の声を聞いて、より掘り下げた記事をお送りするため、みなさんからの感想を募集中です。「今回のダイアリーのこれがとっても面 白かった」とか「イギリスのこんなこと、知りたい」といった質問も含めて、どしどしお送り下さい。


編集 荻村


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