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動物愛護の国
さて、イギリスは動物をたいへん愛護する国だ。獣医の数も病院も多く、獣医はなりたい職業のトップの一つであり、また尊敬もされる。こちらに来て驚いたのは、基本的に野良猫野良犬が存在しないこと。各種動物レスキュー団体があって、野良は発見者の通報ですぐに保護されるのである。レスキュー団体は保護された動物を新しい飼い主が見つかるまで世話をする。必要であれば避妊手術もするし、必要なワクチンも注射する。そこにペットを探している人が結構登録していて、野良たちは比較的すぐに新しい飼い主の元へともらわれていくのは心休まる話だ。子猫子犬なぞは順番待ちのことも多く、結構入手が難しかったりすることもあるほど。職場の知り合いも、「私もバタシー*で今の猫を見つけたの、かわいいわよ!」なんて言っている。バタシーというのはロンドンにあり、イギリスでも大きな動物愛護団体の管理するセンターだ。 去年9月に飼っていた茶色のTabby(しま猫)が寿命で亡くなり、そのときお世話になった動物病院に夫が会社帰りにふと寄り道をした。すると、ちょうどそのとき、Ninjaが病院で保護されていて、新しい飼い主を探していた。 話によると前の飼い主が財政的に苦しいという理由で病院に保護を頼んだらしい。夫はその黒猫を迷わずその日、家に連れ帰ってきたのである。後ほど病院からマイクロチップの再登録のために番号や病院のカルテなどの書類を送られてきた。以前の飼い主がなぜ財政的に飼えないといったのが一目瞭然だった。この猫は過去、病気を何度ともなく繰り返していたのである。 夫と「ちょっとまずいよね、どうする?」と顔を見合わせたものだったが、だからといって病院に帰すというのはいまさら可哀想な気がする。頑張って働けばいいか、なんて動物保険にも加入し、心の準備をしておいたのだが、あれから猫は特に病気の兆候もまったくなく、充分いたずらで元気なのでほっとしている そう、こちらでは動物病院でも動物を引き取って新しい飼い主を探すことがある。日本ではあまりないことだと日本にいる友人に聞いた。日本に帰ると野良猫、野良犬がうろついているのを見るが、十分にエサにありつければいいのだけど、もし環境的に貧しい状況で生き延びているのかと思うとちょっと悲しくなる。保健所で保護されても、結局安楽死させられることが多いとも聞いた。もっとなんとかならないのかなと切実に思う。 イギリス国民の動物を大切にしようという姿勢に心打たれた私だったが、その傍らで夫がボソッと、「そりゃイギリスで、動物は大切にされているさ。 何しろ、動物愛護法のほうが人間の子供保護の法律より早く制定されたんだからね」との言葉に、ん?と首をかしげる私であった。これはもう一歩進んで視点をかえたテーマについて調べる価値があるかも? *Battersea Dogs Home:ロンドンのテムズ川沿いBatterseaにある。犬だけではなく他の動物も。 http://www.dogshome.org/index.html
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