インターンシップ

仕事につながる海外体験談


希望の職種でインターンシップをしたいなら、まず日本で経験を積むことが大切。


海外での体験を生かして、仕事をしている人にお話をうかがう「仕事につながる海外体験談」。

今回は、アメリカ・ニューヨークでインターンシップ経験があり、現在は英会話スクールで、英語力を活かして働いている渡辺範子さんにお話をうかがいました。


留学したのはいつ、どこですか? またきっかけを教えてください。
大学卒業後、半年間ニューヨークに行きました。きっかけは、学生時代にニューヨークを旅行したとき、「こんな都会に住んでみたい!」という憧れを持ったことと、将来文字を書く仕事をしたいと思っていたので、ジャーナリズムが盛んなニューヨークに行くことを決めました。インターンシップという方法を選んだのは、いつかは海外で働きたいという目標があったので、「海外で働く」ということが、実際どういうことなのか、体験したかったからです。


インターンシップ先はどのように見つけられたのですか?
私は、最初の3週間だけ語学学校に通い、そこでビジネス英語レッスンを受けながら面接を受け、採用決定後に、インターンシップをするというプログラムに参加しました。労働ビザではなく、学生ビザでインターンができたのでよかったですね。インターンシップ先は、学校のコーディネーターに希望のジャンルを伝えて、合うところをピックアップしてもらい、その中から選んで面接に行くという形で決めました。運良く、『Flatiron』という雑誌を出している出版社に決まりました。


現地での生活はどんなものでしたか?
半年と滞在期間が決まっていたので、学校の寮に入りました。10時〜16時までインターンシップをして、その後は寮に帰って夜ご飯を食べ、映画を見に行ったり、友達と遊んだり…という生活でした。

実は、採用が決まったインターン先では、雑誌を出版してはいるものの、それが季刊誌で、しかも私が滞在中は出さないということが判明して…。そのため、私の仕事内容は、ニューヨーク市内のマップを、webサイトと紙で作るプロジェクトを手伝うというものでした。

そんなわけで、市内を歩いてどこにどのお店があるかを調査したり、お店の電話番号に電話して、実在するかを確かめたり、データ入力をしたり、といったことが主な仕事でした。楽しかったのは、レストランの紹介文を書かせてもらったこと。50文字もないんですが、短い中で情報をたくさん入れなければならず、シソーラス(類語辞典)などを使って、形容詞や形容動詞を工夫しました。例えば、deliciousは、appetizing、tasty、flavorsomeなど、いろいろな単語があるんです。そうやって、いろいろ使っていたらエディターに誉められたことがあって、その時は本当に嬉しかったですね。


英文ライティングも習っていたと聞きました
はい。私がインターン先でやりたかったことは、「雑誌が作られる」課程をこの目で見たいというものだったので、それが叶わないとわかったとき、どうにかして実りあるものにしたいと思いました。そこで、インターンシップの時間を少し減らしてもらい、週2日、2時間ずつ、NYU(ニューヨーク市立大学)のライティング講座を受けました。今、NHKでNYUの授業を放送する番組がありますが、まさにそれを受けていました。課題が多くて大変でしたが、語学学校の授業とはまた違って本格的でした。「:(コロン)」「;(セミコロン)」の使い分けを初めて知ったりして、おもしろかったですよ。


カルチャーショックはありましたか?
カルチャーショックと言えるかはわかりませんが、ニューヨークには、ゲイの人たちが集まるストリートがあって、彼らはとてもおしゃれで優しいんですね。インターンシップ中、マップのサンプルを店に1件1件配るんですが、けっこう門前払いが多くて。でもそのストリートにあるお店の人たちだけは、本当に親切だったんです。多種多様な人が住んでるんだな、と思った覚えがあります。


英語力はどのくらいアップしましたか?
日常会話には困らないくらい、でしょうか。インターンシップ先で「仕事内容が思っていたのと違う、変えて欲しい」など自分の気持ちを英語でどうしても伝えなければならないケースが多かったので、「間違ってもいいからとりあえず伝える」姿勢ができましたね。


現在は、どのようなお仕事をされていますか? また、どのくらい仕事で英語を使っていますか?
今は、英会話スクールでの営業と、外国人講師のスケジュールなどを担当する「講師担当」をしています。仕事全体の3割くらい英語を使っています。


今の仕事につく際、英語力、留学経験はどのくらい役に立ちましたか?
英会話スクールへの就職は、ニューヨークに行く前に決まっていたので、どれくらい役に立ったかはわかりません。ただ、ずっと、出版社で働きたいと思っていたので、ここ半年ほど転職活動をしていて、最近、外資系の出版社に採用が決まりました! インターンシップ経験が評価されたというよりは、海外でやりたいことができなくても、大学の講座に通ったり、別のインターンシップを始めたりと、いろいろ活動したことが評価されたのかもしれません。それに面接は英語だったので、英語力も見られていたと思います。


海外に出てみて、一番良かったと思うことはなんですか?
うまくいかないことがあっても、ふんばれる精神的な強さが身に付いたと思います。インターン中は、自分のやりたいことができなかったわけですが、それでも貴重なお金と時間を使って来ているわけですから、何とか意味のあるものにしたいと、大学のライティング講座に通ったり、もう一つ日系企業の出版社でインターンシップを始めたりもしました。行動力もついたと思いますね。そして、そこで出会った友達も一生の財産だと思っています。


これから海外に出て、インターンシップ経験を活かしてキャリアアップしたいと考えている人にアドバイスをお願いします。
もしやりたい分野があるのならば、その経験を日本でつけて行った方が有利だと思います。私は、大学卒業後、すぐに行ったので、社会人経験もない、希望職種の経験もない、で、事務的な仕事が主になり、悔しい思いをしました。社会人経験があっても、希望する職種での経験がないばかりに、私と同じようなケースが多く、インターンシップ仲間の悩みといえば、希望する職種で働けないというのが一番多かったのです。希望する職種に近づけるか否かは、「経験」がものをいうのです。特に無償インターンシップの場合、給料という対価がない分、やりたいことができないストレスは相当なものです。

一方で、日本で同じ分野の経験がある人は、かなり専門的な仕事をまかされていました。日本で経験を積むか、海外のコミュニティカレッジや専門学校で専門知識を身につけてから、インターンシップをするという流れの方が、より実りある内容の仕事ができ、帰国後もキャリアップにつながるのではないでしょうか。

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