| 【今週の新語】 |
乱用的買収者
an abusive acquirer
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これは最近流行の企業買収にからむ新語で、今年の7月初旬に下された裁判所の判決で有名になったため取り上げた(*脚注1)。
「乱用的買収者」とは「濫用的買収者」とも書き、「株主の権利を乱用して企業価値を損ねる買収者」を指す(*脚注2)。例えば、買収者が株式を買い集めた後、発行会社に高値で買い取りを迫ったり、あるいは買収者の主な株式買い占めの目的が会社の資産を売却して利益を得るものだったりする場合が、一般的にこの「乱用的」に該当する。
この新語が有名になった理由は、去る7月9日、東京高等裁判所(高裁)が米系投資ファンドのスティール・パートナ−ズ・ジャパンに対して下した裁定内容にある。高裁は、スティールがソース最大手ブルドックソースに対して買収防衛策発動の差し止めを求めた仮処分申請で、スティールの即時抗告を棄却したが、そのなかでスティールを企業的価値を破壊する「乱用的買収者」と史上初めて認定し、同防衛策には正当性があると結論づけた。また、高裁は株式会社のあり方についても「株主利益のみを考慮する考えは採用できない」とも述べた(*脚注3)。
この裁決により、ブルドックの防衛策発動が確定し、同月11日全株主に1株当たり3株の新株予約権が発行された。スティールはこの判決を不服として最高裁判所に抗告した。最高裁の判断がどうなるかはまだ不確かだが、この判決が日本での今後のM&A(企業の合併・買収)に大きな影響を与えると見られる。
「乱用的買収者」の英訳語であるが、色々調べた結果、直訳の an abusive acquirerが適訳となった(*脚注4)。
[訳例]
A Japanese appeals court yesterday ended Steel Partners' attempt to take over Bull-Dog Sauce, rejecting the US hedge fund's appeal against a poison pill defence by the condiment maker...the court said "As such, it is proper to consider the plaintiff an abusive acquirer."
(要約:日本の控訴裁判所は9日、米国ヘッジファンドのスティール・パートナ−ズのブルドックソースの買収防衛策発動の差し止め仮処分を棄却して、同買収の動きを止めた・・・同裁判所は「このように、原告を乱用的買収者と考えるのは適切である」と述べた)
(Financial Times, July 10, 2007, p. 19, "Bull-Dog poison pill approved by Japan's top court" (By Jonathan Soble and Michiyo Nakamoto in Tokyo)
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【こんな風に使ってみよう! 会話例】
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A company worker: Recently, Japanese ended the U.S. hedge fund's attempt to take over Japanese firms, calling it "an abusive acquirer". That was an only proper thing to do.
今度、日本の裁判所が米国のヘッジファンドの日本企業買収に関して「乱用的買収者」とみなし、買収を差し止めたけど、あれは適切だったと思うな。
His coworker: I thought so, too. The buyer's attempt to play Japanese firms around just for making money should not be condoned.
僕もそう思うよ。買収者がただ儲けるためだけに日本企業をオモチャにするなんで許されないことだよ。
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脚注
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*1. 読売新聞2007年7月10日最終版、1面「『スティールは乱用的買収者』/防衛策高裁も『適法』」参照。また、日本経済新聞2007年7月10日朝刊最終版、1面「濫用的買収者と認定/東京高裁、ステイ−ルの抗告棄却」参照。この「乱用的買収者」項目は新語すぎて、残念ながら「現代用語の基礎知識2007」(自由国民社2006年刊)や「朝日現代用語知恵蔵2007」(朝日新聞社2006年刊)にはない。
*2. 上記読売新聞記事参照。
*3. 同上。
*4. ちなみに、研究社のオンライン辞書のKOD(Kenkyusha Online Dictionary) やアルク社のオンライン辞典「英辞郎」には2007年7月23日時点では「乱用的買収者」の項目はない。
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英語で「財政再建団体」ってなに?
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