レッスンについて
平日毎日更新
TOEIC730点をめざす
TOEIC600点をめざす
TOEIC450点をめざす
英検2級対策
トラベルイングリッシュ
毎週金曜更新
ビジネス英語エクササイズ

Section Top
オンライン英語講座Top
Cultural Hints on the West Wing
ネイティブ感覚で観る『ザ・ホワイトハウス』
Latest Neologisms 100
現代用語を英語にする100選
Express Your Feeling
口語英語で気持ちを伝えよう
Cross Culture
クロスカルチャー
Dr.English's English Clinic
Dr. イングリッシュ

英語の資格と検定試験
データベース

日本で受験可能なすべての試験を網羅
英語関連の学会・非営利団体
ESUJ
日本英語交流連盟
ELTBOOKS
英語の先生、学校、大学向けの英語教材販売(全て20%OFF!)
英語タウンでは英語に関する非営利団体・学会をサポートしています。
詳しくはこちら

英語ができる著名人インタビュー
海外ドラマで英語を学ぶ
映画で英語を学ぼう
バイリンガル
ベストセラーで学ぶ
英語圏への留学・旅行
ビジネス英語
英語学習グッズ
国内・海外スクールサーチ
翻訳・通訳になるには
英語を使う仕事を探す
英語カルチャーを知る
リンク集
英語リスニングクイズ
有名人ブログ
ポッドキャスト番組

英語の資格試験データベース
国内・海外スクール検索
英和辞書
リンク集


How to Advertise
広告掲載について
Tell a Friend
友達にも教える
Add to Favorites
このページを
お気に入りに追加

英語カレッジ
アメリカン・カルチャーを知る英語講座

Updated every Monday, 更新日:12月13日

ジャーナリスト 西森マリー先生

西森先生
西森先生のプロフィール
日本ではほとんど知られていないもう一つのアメリカから情報発信するジャーナリスト、西森マリーさん。背景を知れば、英語もなっとく。マリーさんから、もう一つのアメリカとアメリカ英語の背景を学ぼう!


アメリカン・カルチャーを知る英語講座 37
警察国家と化したアメリカ1
America, the ultimate police state 1
 

今週から数回にわたって、警察国家と化したアメリカの実情をお伝えしましょう。



911(米国同時多発テロ)以降のアメリカは、スターリン時代のソ連のような警察国家と化して、人々のプライバシーが犯され、言論・表現の自由が奪われています。

特にブッシュ政権批判に対する弾圧は、旧ソ連からの亡命者も驚くほどの勢いで断行されていて、ACLUAmerican Civil Liberties Union:米公民権連合)が「civil rights(公民権)の危機」と言っています。

共和党支持者のみならずFBIや警察、シークレット・サービスがanti-Bush is anti-American(反ブッシュは反アメリカ)と見なしているため、ここ3年あまりのアメリカでは、ブッシュ批判は命懸けの行為なのです。

ブッシュ批判が犯罪と化したことをアメリカ国民に知らしめたのは、2001年11月に起きた事件でした。

当時ダーハム工科大学の一年生だったA. J. ブラウンという女子学生がanti-Bush poster(反ブッシュポスター)を部屋に貼っていたため、「大統領暗殺を企んでいるのでは?」と疑われシークレット・サービスと警察から尋問を受けました。

窓から見えるところにそのポスターが貼ってあったため、pro-Bush(親ブッシュ)の隣人がシークレット・サービスに通報したらしいのです。*脚注1)

ポスターは、ブッシュがテキサス州知事時代に152人を死刑にしたことを批判したものですが、通常の良識を持つ人間なら、これが大統領暗殺を企むことの象徴だとは絶対に思わない、という内容のもの。

この件に関して、ダーハム在住の弁護士アレックス・チャンーズ氏はこう語りました。

A poster of Bush, even if he's in a noose, is protected speech during wartime or peacetime. If a trained police officer doesn't know the difference between political speech and a threat to the president, then we're all in trouble. If the Secret Service has nothing better to do than check on political posters, that's a bad sign.
「たとえブッシュの首が吊されているポスターでも、戦時中でも平和時でも言論の自由として(合衆国憲法によって権利が)守られています。訓練を受けた警官が、政治的表現と大統領への脅迫の区別がつかないとしたら、これは問題ですね。シークレット・サービスが政治的ポスターを取り締まるほどヒマだなんて悪い兆候です」

この後も似たような事件が続々と起きていますが、2003年5月に起きた出来事は「学校もブッシュ政権の監視下にある」ということを世間に知らしめました。

バーモント州のスポールディング・ハイスクールで学生が描いた「公共問題」に関するポスターを警官が取り締まる、という事件が起きたのです。

ブッシュ批判や平和デモが弾圧され、言論の自由がなくなっているアメリカを描いたこのポスターは、ブッシュの口にダクト・テープが貼られ*脚注2)

Put your duct tape to good use. Shut your mouth.
「ダクト・テープを有効に使おう。黙ってろ」
 
というコメントがついたもの。
これなどまさに単なるブッシュ批判であって、大統領の命を脅かすようなものではないですよねぇ。

大統領選挙キャンペーン中は、ブッシュ批判者への弾圧がさらに強化しました。ブッシュ・チェイニーの選挙演説を見るためには、共和党が配布するチケットをもらわなくてはならないのですが、ほとんどの場合そのチケットを持っていても、反ブッシュ派の人間は会場に入れてもらえませんでした。

その一因は、会場に入るにはloyalty oath(忠誠の誓い)に署名することを強いられるからでした。
どんな誓いかご紹介しましょう。

I, (full name), do hereby endorse George W. Bush for re-election of the President of United States.
「私(フルネームを書き入れる)はジョージ・W・ブッシュを合衆国大統領に再選するために支持します」

そして、この宣誓書には、こういう注意書きが添えられていました。
In signing the above endorsement you are consenting to use and release your name by Bush-Cheney as an endorser of President Bush.
「ここに署名することによって、ブッシュ・チェイニー・キャンペーンが、あなたの名前をブッシュ大統領支持者として公開することにあなたが同意したことになります」

別の要因は、会場に入ろうとする人々をシークレット・サービスが観察し、反ブッシュ派と思われる人をつまみ出して詰問をしたり、身体検査(ジャケットの中に反ブッシュのTシャツを着ていないか、反ブッシュの旗や横断幕などを隠し持っていないかなどを調べるため)をしたからです。

Protect our civil liberties「公民権を守ろう」というコメントが書かれたTシャツを着ていた人々も逮捕され、演説の会場に入ることができませんでした。

逮捕された三人の女性のうちの一人、タニア・タングさんは、こう語っています。

I think that it's ironic. We had this non-offensive statement about protecting our civil liberties, but our civil liberties were denied.
「アイロニックですよね。公民権を守ることに対する不快感を与えないコメントを表現しただけなのに、私たちの公民権が侵されたんですから」

会場に入って反ブッシュのコメントを叫んだ人々は、警備員やシークレット・サービスにはり倒され、会場から引きずり出され、逮捕されています。

会場の外でデモをする人達は、会場から遙か遠いところ(ブッシュやチェイニーの目に届かない場所)に設けられたフリースピーチゾーン(free speech zone:自由演説地域)に押し込められて、そこから一歩でも出ると逮捕されます。

ブッシュ・チェイニーが居る場所とフリースピーチゾーンの間の空間はセキュリティゾーンと呼ばれていますが、セキュリティゾーンが半径1,000メートル以上である場合が圧倒的に多いことに関し、ブルックリン・カレッジのアレックス・ヴィタール社会学教授はこう言っています。

It's clear that some of these security zones are not based on legitimate security concerns. They are based on the idea of the president not seeing someone who disagrees with him, which basically undermines the whole idea of the First Amendment.
「セキュリティゾーンと言われるものの中には、セキュリティに関する道理にかなった配慮に基づくものではないものがあります。それら(そういう異常に広いセキュリティゾーン)は大統領が自分とは意見が異なる人々を見なくて済むようにするために作られたもので、憲法補正第一条の信念を損なっています」*脚注3)

ちなみに、NYで共和党大会が行われたとき、大会の会場から遙か遠いところで平和に行進した反ブッシュ派の人々1,800人が「あやしい帽子をかぶっていた」などの理由で逮捕されています。(民主党大会では6人しか逮捕されていません)

ブッシュ政権下のアメリカは、国民がマッカーシズム(反共産主義運動)に怯えていた1950年代のアメリカに酷似しています。アメリカ全土がフリースピーチゾーンだったケネディ大統領や、カーター大統領、クリントン大統領の時代が本当に懐かしいですよね。


脚注
*1.pro and con
pro
は、「〜賛成の、〜支持の」という意味。pro-bush(親ブッシュ)pro-America(親米)のように使われる。また、conは、「〜反対の」という意味で、pro and conで賛否両論という意味。

*2.ダクト・テープ
冷暖房のダクトや、配水管などの補修に使われる銀色のテープ。

*3.the First Amendment (合衆国憲法)補正第一条
政教分離、宗教の自由、言論・出版・報道の自由、集会の自由、請願権が謳われている。

Congress shall make no law respecting an establishment of religion, or prohibiting the free exercise thereof; or abridging the freedom of speech, or of the press; or the right of the people peaceably to assemble, and to petition the government for a redress of grievances.
「合衆国議会は、国教樹立に関する法律、宗教の自由を抑圧する法律、言論・出版(報道)の自由を制限する法律、国民が平穏に集会を開く権利、及び苦痛からの救済を政府に請願する権利を制限する法律を作ってはならない」

関連サイト
ブッシュ批判ポスター1
ブッシュ批判ポスター2(ダクトテープ)
忠誠の誓い
公民権を主張するTシャツを着ていて捕まった女性たちに関する記事
反ブッシュ派の肩を持った共和党員の兵士まで警備員に脅されたことに関する記事

・ブッシュ・チェイニー・キャンペーンの会場に入った反ブッシュ派が警備員から暴力を受けたことに関する記事
 http://seattletimes.nwsource.com/
 http://www.pnionline.com/

・反ブッシュ派が正当な理由なしに逮捕されることに関する記事
 http://www.lancasteronline.com/
 http://www.washingtonpost.com/
 http://sfgate.com/

大学の言論の自由について

・学問の自由と大学の自治を守るための署名「アメリカの言論の自由を守れ!」
 http://archives.lists.indymedia.org/
 http://members.jcom.home.ne.jp/
 http://www.lifestudies.org/
 http://www.jprn.org/
 http://www.sainet.or.jp/

上記の署名に関するニュース(EducationGuardian.co.uk)

ボキャブラリー
ultimate:究極の、最高の、最後の
ACLU(American Civil Liberties Union):米公民権連合
civil rights:公民権、市民権
oath:誓約、誓い
endorse:保証する、承認する、支持する
civil liberty:市民の自由
free speech zone:フリースピーチゾーン/自由演説地域
security zone:セキュリティゾーン
the First Amendment:(合衆国憲法)補正第一条
the freedom of speech:言論の自由