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恋人たちの予感 / WHEN HARRY MET SALLY
Have a nice life!
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「男と女の間に友情は成立するか?」をテーマにした小粋なラプ・ストーリー。『めぐり逢えたら』の女性監督ノーラ・エフロンが脚本を担当した。(日本ヘラルド配給)
監督:ロブ・ライナー
出演:ビリー・クリスタル、メグ・ライアン、ブルーノ・カービー
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DVD:『恋人たちの予感 特別
編』 - 20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン
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このところ、セリフ劇の翻訳仕事が殺到して、いつにもましてねじり鉢巻き。この映画も主役のおふたりが最初から最後まで、よくしゃべってくださった。字幕屋の内幕をお話しすると、翻訳料はセリフの多い少ないに関係なく料金一定というシステムになっている。そういう意味でセリフの多い作品は、ワリが合わないということになる。
だがこの映画のように、おもしろいセリフが満載だと、手間がかかるのも帳消しで、大いに楽しんでしまう。特殊な世界を描いたものではなく、日常的な男と女の会話なので、どこの部分をとっても、すぐに使える表現がたくさん転がっている。ビデオで見て、字幕で訳しきれない細部を耳で拾ったり、日常表現で学んだり、お勉強の教材としてもおススメ品である。
今回はとりあえず、宣伝コピーとして使われた「私たち友だち、だからSEXしません」のくだりを、シナリオからご紹介しよう。シカゴからニューヨークまで、経費節約のため一緒にドライプをしているハリー(ビリー・クリスタル)とサリー(メグ・ライアン)。これが初対面
だが、どうも波長が合わない。結局は、
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SALLY:
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We are just going to be friends,
okay?
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HARRY:
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Great. Friends. The best thing.
You realize of course that we could never be friends.
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SALLY:
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Why not?
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HARRY:
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What I'm saying is, and this is not
a come-on in any way, shape or form, is that men and women
can't be friends because the sex part always gets in the way.
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SALLY:
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That's not true. I have a number
of men friends and there's no sex involved.
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HARRY:
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No, you don't.
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SALLY:
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Yes, I do.
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| サリー: |
私たち、ただの友だちでいましょう。いいわね。 |
ハリー:
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いいね。友だちか。最高。もちろんきみは、ぼくらが友だちになれないって事をわかってるね?
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| サリー: |
あら、なぜ? |
ハリー:
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ぽくが言いたいのは...これはいかなる形でも意味でも、きみをくどいているんではないよ...つまり、男と女は決して友だちになれない。セックスの部分がジャマをするからってことさ。 |
サリー:
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そんなことないわ。私には、セックスなど無関係の男友だちが大勢いるわよ。 |
| ハリー: |
いないよ。 |
| サリー: |
いるわ。 |
a come-on は、「(異性を)クドく」「せまる」の意味。いちばんくだけた、会話的な表現として覚えておこう。動詞で使う時は、“He
is coming on to me. Can you believe it?”
「彼ったら、わたしをクドくのよ。信じられる?」のように言う。後はむずかしい単語などひとつもない。それでこれだけのことが言えてしまうのだ。
もうひとつ、この映画でおもしろいのは、食べ物にこだわるサリーの、レストランでの注文のしかた。字幕では字数の関係でかなりはしょったので、正確にお教えしよう。注文しているのは、「サラダ」と「パイ・ア・ラ・モード」なのに、サリーにかかると、こうだ。
“I'd like the Chef's Salad, please, with the oil and vinegar on
the side. And the apple pie a la mode. I'd like the pie heated, and
I don't want the ice cream on top. I want it on the side, and I'd
like strawberry instead of vanilla if you have it. If not, then no
ice cream, just whipped cream but only if it's real. If it's out of
the can, then nothing.”
「シェフ・サラダをお願い。オイルとビネガーはわきに添えて。それからパイ・ア・ラ・モード。パイは温めて、アイスクリームは上に乗せないでね。横に付けて、それもバニラでなく、もしあったらストロベリーにして。なければアイスクリームは要らないわ。生クリームにして、それも本物だったらね。缶
入りのクリームなら、何も要らないわ」
ハリーがあきれ果て、メモをとってるウェートレスが、うんざりした顔をするのも納得。これは行き過ぎだが、ソースなどを“on
the side”「料理の上にかけず、わきに添えて」という注文ぐらいは堂々としてよろしい。
ハリーとサリーの最初の出会いは、このようにぶつかることばかり。やっと目的のニューヨークに到着して、グリニッチ・ビレッジはワシントン・スクエアの凱旋門の前で右と左へ。お互い、ヤレヤレの表情。別
れのことばは、
| SALLY: |
Well, have a nice life. |
| HARRY: |
You, too. |
アメリカ人が別れぎわに、“Have a nice day.”「よい1日を」と好んで言うことはご存じだろうが、もう2度と出会うことがないだろうと思う人には、“Have
a nice life.”「よい一生を」と言う。例えば、飛行機の席で隣り合った人から、別
れぎわにこう言われたことが何度かある。ちょっと覚えると役に立つ挨拶である。(『ROADSHOW』90年3月号掲載)
集英社
『男と女のスリリング』より
★『男と女のスリリング』より戸田さんの映画人生を語った「Prologue
- 字幕の仕事ができると信じて」を読みたい人はこちら。
★『スターと私の英会話』より「タイタニック」を読みたい人はこちら。
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戸田奈津子さん:プロフィール
東京都出身。津田塾大学英文科卒業後、生命保険会社の秘書を経て、フリーで通
訳・翻訳の仕事をするようになる。清水俊二氏に師事し、1972年『小さな約束』で映画字幕デビュー。
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その後、来日時に通訳についたフランシス・フォード・コッポラ監督の推薦で『地獄の黙示録』(1980年日本公開)を担当。日本の映画字幕翻訳者の第一人者として認められるようになった。1992年、第1回淀川長治賞受賞。現在も年間40本を手がけ、第一線で活躍。
2001年8月8日には『男と女のスリリング』の続編、『スターと私の英会話!』が集英社から出版されている。 |
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ROADSHOW
字幕翻訳の第一人者戸田奈津子さんが「映画のセリフで英語の勉強」というテーマのもとにつづる、楽しい“レッスン”が、映画情報誌『ROADSHOW』の「brush
up your English」というページに連載されている。連載はなんと20年以上も続いている。
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『男と女のスリリング』『スターと私の英会話!』は、「ROADSHOW」に過去に連載されたものをまとめた本で、それぞれ1994年5月、2001年8月に出版された。
Thanks to :株式会社 集英社
〒101-8050 東京都千代田区一ツ橋2-5-10
TEL:03-3230-6111(代表)
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