英語の語源のはなし - 楽しみながらボキャブラリーが増える
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英語の語源のはなし
- 楽しみながらボキャブラリーが増える
あっと驚く語源にまつわるハナシが満載です。「girlは「少年」だった?」「語尾-iで終わる英単語はない?」「thanとthenは同じ単語?」「maleとfemaleは無関係?」などなど、英単語の歴史を楽しみながら、英語のボキャブラリーが知らず知らずのうちに身についていきます。これまで無味乾燥だった英単語学習が楽しくなることウケアイ。英単語を効率よく覚えたい初学者の方や、語源をマクラに生徒の英単語学習を促進したい指導者の方のネタ本にも最適です。
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英語の語源のはなし
(研究社) |
第2章◆基本単語は奥が深い◆7
Good-bye は God be with you の短縮形
Good-by(e) は God be with you.(神のご加護があらんことを)というセンテンスを丸ごと縮めたものです。古くは
God be with ye. と言いました。いわゆる仮定法現在の構文で、祈願を表す時に使われました。
センテンス丸ごと短縮という現象は他にもあります。今日、何気なく使っているfarewell(さらば、ごきげんよう)です。図らずも
Good-bye と同意です。farewell は Fare thee well. という命令文の短縮形で、「元気で行けよ」という意味です。thee
は you の再帰代名詞で、fare は go の意味ですが、ズバリ現代語の fare(運賃)にそのニュアンスが残っています。
命令文が単語1つに集約されるというのは驚くべき現象ですが、他にもいくつか類例があります。以外なところでは、alarm があります。「警報(を発する)」という意味で今日、多用されていますが、実は、All
arm!(全員、武器を取れ!)の短縮形です。
命令文の単語化は英語ばかりではありません。他の言語の命令形が英語の単語に化けているケースもあります。しかも、ごく日常的な基本語です。例えば、テニス(tennis)ですが、これは古いフランス語の命令形
tenetz、あるいは tenez に由来するもので、receive!(受け取れ)とか hold!(つかめ)に相当します。tenetz
とか tenez と聞くと、まるで縁のない外国語と思うかもしれませんが、英語の maintain(維持する)や
obtain(獲得する)にある語幹 -tain と同じ要素で、いずれも「手」とか「持つ」に関係があります。
tennis によく似た語形成が recipe(レシピ)です。ケーキなどを作る際に、その「調理法」として知られていますが、元はと言えばラテン語の命令形
recipe!(=take!)です。調理をする時は、「小麦粉をとれ」とか「砂糖をとれ」と take を頻繁に使うことに由来する用法です。ラテン語が出たついでに、
video は直説法現在単数1人称形で「私は見る」という意味です。
最近では、gimme(ギミー)なるスラングも誕生しています。人に「金品をねだること」とか「物欲」の意味で一般名詞化していますが、言うまでもなく
Give me ... が縮まったものです。最近、誕生した語では do-it-yourself も忘れてはなりません。「既製品を買わずに、なるべく自分で作ろうという考え方」の意味で、DIYと略すこともあります。
forget-me-not(忘れな草)も命令文が1個の連結語に集約された例です。ただし、これは否定の命令文です。現代英語なら
Don't forget me. と言うところですが、古い英語では、まだ助動詞 do が未発達で、しかも not の位置も安定していなかったので、Forget
me not. のような語順が日常的でした。
命令形でもないし、1語に凝縮されてもいませんが、1個の文がそのまま名詞として使われているのが referee stops
contest(レフェリーストップスコンテスト)です。主語、動詞、目的語が全部揃って、なお1個の名詞というのは前代未聞です。
研究社『英語の語源のはなし−楽しみながらボキャブラリーが増える』より
Page3:nice
は「愚かな」という意味だった
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佐久間 治先生:プロフィール
サンフランシスコ州立大学を経て、早稲田大学教育学部英語英文学科卒業。旺文社ラジオ講座、ラジオたんぱ、河合塾講師などを歴任。英語史研究家。著書に『英語の不思議再発見』『英語史に強くなる多義語二〇
〇』『英単語スペリング攻略法』(以上、ちくま新書)、『英語に効くクスリ』(日本経済新聞社)など多数がある。
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