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英語の語源のはなし - 楽しみながらボキャブラリーが増える

英語の語源のはなし - 楽しみながらボキャブラリーが増える

あっと驚く語源にまつわるハナシが満載です。「girlは「少年」だった?」「語尾-iで終わる英単語はない?」「thanとthenは同じ単語?」「maleとfemaleは無関係?」などなど、英単語の歴史を楽しみながら、英語のボキャブラリーが知らず知らずのうちに身についていきます。これまで無味乾燥だった英単語学習が楽しくなることウケアイ。英単語を効率よく覚えたい初学者の方や、語源をマクラに生徒の英単語学習を促進したい指導者の方のネタ本にも最適です。
英語の語源のはなし
(研究社)
 




第1章◆身近な単語の意外な歴史◆12

フーリガンはならず者一家 Houlihan に由来  

19世紀末、ロンドンのサウスワーク地区に住んでいたアイルランド人一家の名が今日、ワールドカップなどでお騒がせしている暴徒「フーリガン」の由来です。ならず者一家として悪名が轟いた Houlihan はその後、hooligan と少し綴りを変えて、文字どおり「ならず者」を意味する一般 名詞となりました。しかし、今日では、もっぱらサッカーの国際試合などで熱狂して暴徒と化す集団を指しています。

人名が固有のものでなくなり、一般的な語として独り歩きする現象は珍しくありません。世界中の言語に共通 する現象でしょう。日本語でも、「きんぴらごぼう(←坂田金平)」、「山勘(←武田信玄に仕えた軍師・山本勘助)」など多くの例があります。  

Caesar Salad はメキシコの調理人 Caesar Gardini の名からとったものです。予定していたより多くの客が来て、サラダの材料が不足したので、ゆで卵、チーズ、クルトンなど手当たり次第にぶち込んだら、これが意外と受けた、という逸話が残っています。  

「ダウ平均株価」は正式には Dow-Jones (stock price) average ですが、米国ダウ=ジョーンズ社の創始者 Charles H. Dow と Edward D. Jones の名をミックスしたものです。

古くは、フランス革命時代に盛んに使われた断頭台「ギロチン」があります。その装置の導入を議会に提案した Dr. J. I. Guillotin の名に由来します。彼の死後、Guillotin 家は正式に改名しました。その他、「リンチ」も人名由来説が有力です。ヴァージニア州の治安判事 Captain W. Lynch の名にちなむというものです。「マリファナ」はスペイン系の女性名 Maria Juana(マリア・フアナ)からとったという説があります。leotard(レオタード)はフランス人曲芸師 Jules Leotard の考案による運動着です。bloomers(ブルマー)はこの体操着を提唱した Mrs. Amelia Bloomer の姓を複数形にしたものです。

意外なところでは、口語で「男、奴」を意味するguyもあります。1605年に起こった Gun Powder Plot(火薬陰謀事件:議事堂の爆破と国王および議員の殺害を企てたカトリック教徒の陰謀)の首謀者 Guy Fawkes の guy が「奇怪な風采の男」とか「みすぼらしい身なりをした男」として一般 化し、これがアメリカに渡って、現在の意味に変わりました。  

さて、英国の Sandwich 伯爵の名は「サンドイッチ」に延々と生き続けています。そして、ドラキュラ伯爵は小説中の人物ですが、「ドラキュラ」と言えば即「吸血鬼」、というくらいイメージは固定しています。さて、そこで問題です。あなたは「フランケンシュタイン」と聞いて、何を思い浮かべますか? えっ? 額に縫合跡があって、側頭部に太い釘が刺さっている...あの恐ろしい怪物? ブーッ! 違います! フランケンシュタインは Mary Shelley の小説中で‘その’怪物を作った男爵(Baron Frankenstein)の名です。当の怪物には特に名前はありません。もっとも、フランケンシュタインを怪物と取り違える傾向は世界共通 だそうですから、ご安心を。

研究社『英語の語源のはなし−楽しみながらボキャブラリーが増える』より


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佐久間 治先生:プロフィール

サンフランシスコ州立大学を経て、早稲田大学教育学部英語英文学科卒業。旺文社ラジオ講座、ラジオたんぱ、河合塾講師などを歴任。英語史研究家。著書に『英語の不思議再発見』『英語史に強くなる多義語二〇 〇』『英単語スペリング攻略法』(以上、ちくま新書)、『英語に効くクスリ』(日本経済新聞社)など多数がある。

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