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美しい人は、話す言葉も美しい。

「ローマの休日」「ティファニーで朝食を」など、オードリー・ヘプバーンが出演した映画全27作品の中の名せりふと、インタビューでの発言、友人に語った言葉などを収録。役柄に応じた英語の話し方を熱心に学んだオードリーの英語は、上流階級の言葉でもなく、英語でも米語でもない、どのカテゴリーにもあてはまらないスタイルだった。だからこそ、彼女の話す英語は世界中で受け入れられたという。そんなオードリーの上品で個性的な英語が学べ、出演作の裏話や彼女の人柄が垣間見られる一冊だ。

『オードリーのように英語を話したい!』原島一男著(The Japan Times/1,500円)


日本人に見えるんじゃないかしら─日本のオードリー人気を知って


"It's curious, maybe I look Japanese."
「不思議ね。もしかしたら、わたしは日本人に見えるんじゃないかしら」



オードリーは、自分の人気が日本で飛び抜けていることを聞いて、こう言ったことがあります(Audrey Hepburn by IW, Preface)。

オードリーが生まれ育ったヨーロッパからはるか離れた日本で、『ローマの休日』以来続いている人気は、50年たった今でも、決して揺らぐことはありません。オードリーへの憧憬が日本ほど長い間続いている国は、世界のどこを探してもほかに見当たりません。ベルギー、オランダ、イギリス、あるいは、最大の映画市場であるアメリカでさえも。

その理由は何でしょうか。ひとつは彼女のサイズです。

170センチ、84/50/85センチという体型は、大柄な欧米女性の中ではより日本女性に近いことが挙げられます。

しかし、もっと大きな理由は、日本人が持つ独特な美意識ではないでしょうか。

彼女の生活態度が、ほかのハリウッド・スーパースターとはあまり結びつかない清楚なイメージと、弱いものに同情する気持ちを決して忘れない人間性を持ち、けなげに人生を生きたことが、日本人の心の琴線に触れたのでしょう。

20代の女性に聞くと、その多くが母親に教えられてオードリーを知るようになったと言っています。1954年に『ローマの休日』を見た人たちは、オードリーを自分の理想像にして、彼女とともに生き、彼女のことを子どもたちに伝えてきました。オードリーは、親子2代あるいは3代にわたって、"あこがれ"を与え続けているのです。

さらに、日本の若い女優たちが、オードリーの映画を「勉強のために見た」と言うのを聞くと、彼女がいかに広い層に支持を得ているかがわかります。

オードリーがほかの女優たちと違っていたのは、スターとしてのトップの座に対する執着心がなかったことです。彼女が人生に求めていたのは個人的な幸せでした。

彼女の生活はゴシップからはほど遠く、マスコミに取り上げられるのは、いつも彼女の夫たちの女性関係のほうでした。また、億万長者でありながら、スイスのいなかで静かに平凡に暮らし、自分の趣昧に合った映画だけに出演しました。

世界中を飛び回りましたが、どこへ行っても目立とうとはせず、常に控え目に振る舞っていました。ひとつ目立つ振る舞いがあったとすれば、常に10個以上のルイ・ヴィトン社のスーツケースを持ち歩いたことくらいでしょう。『麗しのサブリナ』で着たジバンシィのドレスを1着だけ自分のために買ったというオードリーでしたが、ユニセフの親善大使としてアジアやアフリカヘ出かけるときは、リネンのパンツとセーター姿で、スニーカーをはいていました。

『オードリーのように英語を話したい!』(The Japan Times)より

Thanks to:
The Japan Times
〒108-0023 東京都港区芝浦4丁目5番4号
Tel:03-3453-2013

著者プロフィール
原島一男(はらしまかずお)
慶応義塾大学経済学部卒業。米国ボストン大学大学院コミュニケーション学科へ留学後、1959年にNHK国際局へ入局。1991年までの32年間、英語ニュース記者、英語番組チーフ・プロデューサーなどを務める。その後、山一電機株式会社で取締役・経営企画部長を務める。 現在はフリーランス・ジャーナリスト。日本記者クラブ会員。日本ペンクラブ会員。映画英語教育学会会員。 著書に『映画の英語ー心にのこる名場面・名せりふ』(ジャパンタイムズ)、『店員さんの英会話』(ジオス)、『味わいシネマガイド』(学習研究社)などがある。また、NHK語学教育番組のテキストに、映画の英語にかんするエッセイを7年以上にわたり執筆している。 趣味は、ドライブ、海外旅行、オーディオ。 ホームページのアドレスは、http://home.catv.ne.jp/kk/icooky/

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