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| 同僚のマ−ティンと |
幸い、仕事の方は英語を日本語に直すことだったので、英語でのミーティングなどはほとんど必要がなく、困るのは普段の会話のときだけだった。これに対して、私は秘策を編み出した。それは「わかったふりをする」という方法だ。
だいたい、自分のことを振り返ってもそうだが、人の会話のほとんどは無駄 話で、内容は大してない。それでも話をするのは、むしろただ一緒にいることが楽しい、嬉しいからだ、とそう信じることにして、私はとにかく会話を続けることに専念した。
具体的に言うと、「相手の言葉をオウム返しにすること」と「"Really?","Did you?", "Is it so?" などの小さな言葉を多用すること」だ。前者は、例えば相手が
"I went to horse racing yesterday."と言ったら、"Horse racing?"とオウム返しにする。すると、相手は「ああ、イズミはちゃんと聞いてるんだな」という気になって、先を続けるのだ。後者も同じこと。実際のところは、相手が何を言っているのかチンプンカンプンなのだが、そうやって5分から10分も会話を持たせると、次第に何となく何をしゃべっているのかわかってくる。そして、自分も言うことが見つかるのだ。
姑息な手段ではあるが、こんな風にイイカゲンに話しをしているうちに、次第に耳が慣れてきて、少しずつ突っ込んだ話をすることができるようになってきた。一方で、仕事もがむしゃらに進め、30分番組54本、1時間番組34本を作り終わったときには、2年間が過ぎていた。番組を通
して、翻訳のノウハウばかりではなく、自然について、番組作りについても多くのことを学ぶことができた。腱鞘炎になったり、睡眠不足とストレスから神経衰弱になったりしたが、得たものも大きかったのだ。
翻訳の仕事が終わるころ、会社から新たな仕事のオファーがあった。アジアをテーマにしたNHKとの共同制作案がある、これに参加しないか、というのである。これが、4年間に渡るシリーズ『アジア・知られざる大自然』に関わる端緒となった。翻訳の仕事から、リサーチ、そして撮影現場の仕事へと、私の前にはまた新たな挑戦が待ちうけていたのだ。
お薦めサイト
・主な自然番組制作・配給元のサイト
http://www.nhk.or.jp/ikimono/indexmain.html(NHK生きもの地球紀行)
http://www.discovery.com(Discovery
Channel)
http://www.animal.discovery.com(Animal
Planet)
http://www.bbc.co.uk/nature(BBC)
http://www.pbs.org(PBS)
カカポ基金
内田さんは日本からニュージーランド環境省のカカポプロジェクトを応援する非営利団体『カカポ基金』を主催しています。年会費3000円、会員の方には年3回会報が届きます。また、ポストカード5枚1000円も販売中。会員でなくても購入できます。
振込先は:カカポ基金 00190-4-148529 エイゴタウンで見た、と一言お添えください。
詳しいお問い合わせは:PXI12631@nifty.ne.jp
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内田泉さんプロフィール
慶応義塾大学文学部哲学科卒。FMラジオ番組ディレクター、編集ライターを経て、1991年からフリ−ランスでライター、翻訳、音声取材編集などさまざまな分野の仕事に携わる。1993年ニュージーランドヘ渡り自然環境をテーマにしたTV番組制作に従事。自分で嬉しいと思うこと:世界中に沢山友達がいること。自分で悲しいと思うこと:世界中に散らばっている友達と、いつも一緒にはいれないこと。
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『カカポ 月のこども』
うちだいずみ作・さじちあき画(ハート出版刊 1,500円)
月はずっと見ていた―――。 美しいイラストで、次第に生存を脅かされていくカカポのおはなしを描いた絵本。
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