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サラ・パレツキーが描く女探偵のヒロイン、V・I・ウォーショースキー(略してヴィク)は、30代以上の 働く女性ファンが圧倒的に多い。ファンの熱気はインターネット上にも溢れんばかりのパワーで展開されている。
『Vic Fan
Club』は1998年9月に開設され、会員のおしゃべりコーナー"What's New"は毎日のように更新されているパワフルなサイトだ。ここではサイト運営者の広辻万紀さんが『パレツキーズ・アイ』で"作家パレツキーの誕生""パレツキーの視点"などヴィク・シリーズの作品世界を初心者向けにわかりやすく解説している。また'94年にパレツキーが来日した際に会員と共に撮影した記念写真も掲載されている。
シリーズ翻訳家の山本やよいさんはこのファンクラブをはじめ、「ヴィクのファンの熱気はすごいです。特に大阪のファンクラブの人たちには圧倒されてしまいます」。とまどい気味の山本さんだが、こうしたファンサイトから見えてくるのは、ヴィクが働く女性たちに圧倒的に支持されている理由だ。
純然たるハードボイルドのスタイルをとりながら、実はヴィク・シリーズに流れるテーマは『家族の問題』。ヴィクは自分の生い立ちや亡くなった家族のことに思いを馳せている。しかも事件にはたいてい家族や友人たちが関わってくる。それをクールに眺めるだけではなく、事件を追っていくうちに時には自分自身も傷ついていく。そこが女性を引きつけるところであり、男性社会で生きていく現実の過酷さに対して、ユーモアを交えながら立ち向かう姿が女性に好かれ、支持されるゆえんだろう。
ヴィクのファンは働く著名人にも多く、作家の落合恵子さん、ニュースキャスターの小宮悦子さんなどがファンとして名乗りを挙げている。9作目の『ガーディアン・エンジェル』(ハヤカワ文庫)で小宮さんの"戦友に乾杯"というタイトルの解説は簡潔にしかも確実にヴィクの魅力を言い当てている。
「そう、ヴィクの魅力はなんといっても完璧じゃないこと。ハードでタフでありながら、結構情けないところがある。カッコ悪いところが逆にカッコいい。できそこないの女性の一人として、いろんなところにつまずきながら先へと進むヴィクは、痛々しくもいとおしい存在なのです」。
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シリーズ9作目『ガーディアン・エンジェル』。 親友とも決裂し、孤独の中でヴィクが傷だらけの闘いに挑む! 解説/小宮悦子 早川書房刊
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関連リンク
今週のインタビュー
今週のインタビューでは、ヴィクの全シリーズを手掛ける人気のミステリー翻訳家、山本やよいさんが登場。彼女が語るヴィクの魅力、ベストセラー作家・サラ・パレツキーの素顔から、ミステリー翻訳家としてデビューするまでの道のりなど、興味深い話題がたくさん!
ヴィク・ファンクラブ
日本のオフィシャル・ファンクラブサイト。著作リストや評論の他、ヴィクが活躍する街、シカゴについてのエッセイも充実。
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