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 アイルランド音楽の魅力

ミュージシャン最新インタビュー/自由な音楽人、リアム・オ・メンリイ

取材・文/松島まり乃


ダブリンのストリートミュージシャンからデビュー、いまやアイルランド音楽の主要ミュージシャンのひとりであるリアム・オ・メンリイ。80年代後半、ホットハウスフラワーズのボーカルとして音楽シーンのトップを走っていた彼は、その後、自らのルーツミュージックに戻り、新たな道を歩んでいる…。

(photo/Marino Matsushima)

 
   
世界に歌の上手い人はたくさんいるけれど、彼ほど「自由自在のシンガー」となると、そう沢山はいないだろう。ソウルフルなロックと、アイルランド民謡の中でも最も味わいの要求されるコネマラのシャンノス。対極的な両者を、一度のステージで、何のぞうさもなく行き来してしまうのが、リアム・オ・メンリイという人である。声域の広さ、伸縮の自在さ、情とユーモア…。全てを兼ね備えている彼の根底には、「人として善くあろう、まっとうであろう」という熱きスピリットが流れている。

アイルランドの古語、ゲール語で全ての教科を教える私立学校に通いながら、リアムは夏休みにはアイルランド南西部の港町・ディングルに出かけ、ゲール語の歌など生きたトラッド音楽に触れて育った。が、学校の仲間とはロックバンド「ホットハウス・フラワーズ」を結成。ダブリンの歩行者天国、グラフトン・ストリートに「毎日通ってた。人通りが激しいから結構儲かったよ」。そのうち、U2のボノに見出だされ、プロデビュー。たちまち、そのファンキーでソウルフルなサウンドが欧米で大ヒット、ツアーをしてはアルバムを制作という、多忙な日々を送る。しかし…。

「僕らの話題が音楽だけになってしまって、空虚なものを感じた。ちょうどそのころ、故郷の父も亡くなって…。一緒に泣いてくれる人がいない外国生活に嫌気がさした」。バンドは活動休止。しばらく、他のミュージシャンのユニットに参加したり、バンドALTを結成したりした後、3人に人数を削いだ形でホットハウス・フラワーズを再スタート。しかしアルバムは『ボーン』(ポリドール)を出したのみで、後はまたマイペースな日々を送っている。

「昨日、デヴィッド・ボウイと一緒に仕事をしたんだ。彼、まだいい声が出るし、いまだにカッコいいんだぜ…」「そこでインドのミュージシャンと話していたんだけど、僕らミュージシャンの仕事って何なんだろう。もしも世界を救いたければ、意識や論理だけではだめだ。祈りの心がなければ。音楽は祈りの場を作り出し、みなに精神的インスピレーションを与えられるものなんじゃないか…」世間話にまじって、深い話が続いてゆく。しばらく、歌詞に重点を置いた曲作りに力を入れていたが、今はリズムや音そのものにこだわった曲作りに興味があるという。「音楽が浮かべば、どんな歌詞を書くべきかも自然に分かってくる。言葉選びに、ミステリーはないんだよ」。

ゲスト出演やコンピレーション・アルバムへの参加は数多いが、実はまだソロ・アルバムは出していない。 「そうそう、出さなくちゃね。でも正直言って、ゲストで歌っても僕は自分の歌を歌ってるから、敢えてソロという形にこだわろうという気が起こらないんだ」。アルタンのマレード同様、彼もまたエゴの薄い人である。           


*月曜に紹介しているアイルランドと沖縄のミュージシャンの
   ジョイントコンサートを見に行こう!


「モイア・ブレナン・イン・海洋博公園」

5月13日(土)開演16:00 終演18:30頃の予定
<会場>
沖縄・海洋博公園噴水広場横 特設ステージ(最大1万人収容)入場無料
<アクセス>
那覇から名護経由で車またはバス(TEL: 098-867-7386)で3時間
<問い合わせ>
沖縄財団法人・海洋博覧会記念公園管理財団業務課
TEL: 0980-48-2741
東京熊谷富裕事務所 
TEL: 03-3479-8165

 明日は、ミュージシャン最新インタビュー/ダブリン市民の永遠のアイドル、メアリー・ブラック