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もし友人に「最近アイルランド音楽に興味があるんだけど、何から聴いたらいいかなあ?」と聞かれたら、迷わずアルタンのテープを貸している。テープが返ってくるときの、たいがいのリアクションは「エンヤとは随分違うねえ」。日本人に最も知られるアイルランド人ミュージシャンは間違いなくエンヤだろうけれど、皮肉にも、彼女はほとんどのアイルランド人から「アイルランド音楽」として認知されていない(ニューエイジなどと呼ばれている)。アイルランド音楽といったら、この国のトラッド、もしくはそれに色濃く影響を受けた音楽を指すのである。そしてアルタンはその中でも「正統トラッドバンドの白眉」と言っても過言ではない。これ以上はないというくらい息の合った、クリアで、しかも味わいのある演奏。控え目だがクールなアレンジ。ボーカル、マレードの、人生の酸いも甘いも知り尽くしてなお無垢なる声。実際に彼らに会ってみると、そんな音楽が生まれでてくるのも当然、と思えるような「人柄」がそこにはある。
ダブリンのウェストベリーホテルで、レモネードのグラスを傾け、微笑みながら近付いてきたマレード。前夜、新譜『アナザースカイ』(日本盤は東芝EMIより発売)のリリースパーティーが行われて疲れているはずなのに、「ほっとしたから大丈夫よ」という。
「新譜の1曲目を気に入ってくれたの? 嬉しいな。これまでずっと同じ路線を意識していたけど、今回は聴き手の層が広がればと、少し新しいイメージを心掛けたの。この1曲目はよく知られた童歌だけど、メロディの違うバージョンを見つけたので面
白いと思って入れました」
「いろいろな曲で『ひねり』を効かせるのが好き。アレンジをしても基本はトラッドにあるから、道から外れることはないと思うわ。トラッドのアレンジに反対する声? そういう人もいるかもしれないけれど、私がこれまでに出会ってきた素晴らしいミュージシャンたちは、すべてのジャンルの音楽を聴き、心を開いて来た。こういう柔軟性があってこそ、トラッドは今まで連綿と続いてきたのだと思う」
「トラッドを演奏することだけでなく、もちろん作詞作曲も好きよ。映画音楽も面 白そうだけど、物語よりも音楽が目立ってしまうようなものは最悪。エゴイズムは大嫌い(笑)」
大きなクラダーリング(ハートと王冠を両手で捧げ持った婚約指輪)をしていたので指摘すると、数年前に亡くなった夫が17歳の時にくれたものだという。「今でも、彼がそばにいてくれると感じるの」。純粋な人である。しかし、最近彼女が再婚したバンドのアコーディオン・プレイヤー、ダーモットはちょっと複雑な心境なのではないだろうか。
そんな彼らの待望の再来日公演がもうすぐ!
5月19日仙台(022-299-3955)、21日東京(03-3498-2881)、23日名古屋(052-264-8211)、24日京都(075-351-1321)、26日富山(0763-22-1125)、27日福岡(092-574-0331)、28日大阪(06-6351-6821)。
※場所、時間などはそれぞれの問い合わせ先へ。
*月曜に紹介しているアイルランドと沖縄のミュージシャンの
ジョイントコンサートを見に行こう!
「モイア・ブレナン・イン・海洋博公園」
5月13日(土)開演16:00 終演18:30頃の予定
<会場>
沖縄・海洋博公園噴水広場横 特設ステージ(最大1万人収容)入場無料
<アクセス>
那覇から名護経由で車またはバス(TEL: 098-867-7386)で3時間
<問い合わせ>
沖縄財団法人・海洋博覧会記念公園管理財団業務課
TEL: 0980-48-2741
東京熊谷富裕事務所
TEL: 03-3479-8165
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