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絵本作家 西村香英さん
Picture story book author: Kae Nishimura

Ryota Mitsunaga

ネイティブと同じになろうとするのではなく、通じる英語を使ってコミュニケーショ ンを楽しむ

ニューヨークで素敵な絵本を出版した若手絵本作家、西村香英さん。
独特のやわからなタッチの絵と、想像がふくらむストーリー。国籍を越えたセンスが認められたのだ。そんなカエさんに、英語を身につけるコツから、夢を叶える秘訣について語っていただいた。

ご自身のご経歴、海外経験についてお聞かせください。
愛知県生まれで、国際基督教大学では美術史を専攻しました。その後、アイルランドの国立美術大学、ボストン美術館付属校、ニューヨークパーソンズデザイン学校で学び、ニューヨーク滞在中にイラストレーターとして活動を始めました。


今回、ニューヨークの出版社から絵本『Dinah! : A Cat Adventure』を上梓されましたが、海外で出版しようと思ったのはどうしてですか?
『Dinah! : A Cat Adventure』
特に海外で、と言う事にこだわったつもりはなかった です。自分の言葉、絵、が伝えられる場があれば、どこでも良かったんです。でも今は、様々な思想やバックグラウンドを持つ人に自分の世界が伝えられるという拡がりに、喜びを感じます。


これまでの人生でターニングポイントとなる出来事や人物は?
うーん。壁にぶちあたった時が転機になった気がします。そう思うと、失敗は財産とも言えますよね。


夢をかなえるにはどうしたら成功するのでしょうか?
続ける事! です。諦めてしまったらゼロですから。落ち込んだ時はお休みして、元気が出たらしつこく続けるコトだと思います。信じてあげられるのは、まず自分です。


英語を学ぶのに苦労した点、効果的だと思った方法を教えてください。
私は全く日本語を話せない状況で3ヶ月以上もいたら、英語も日本語もろくに話せなくなった時期がありました。鬱っぽくまでなって。そのうち急に気が抜けて、突然周りに冗談を言いたくなったのです。それが心から話したいと思った初めての英語だったかもしれません。もともと母国語ではないのですから、ネイティブと同じになろうとするのではなく、通じる英語を使ってコミュニケーションを楽しむコトだと思います。英語は言葉です。言葉は生き物です。気持ちが通じれば良いじゃないですか。


日本とアメリカの違いについて教えてください。
アメリカと言っても、ニューヨークは特殊。色々な考え方が雑多に交じっている街ならではで、違うものに対して寛容だと思います。し烈な競争社会ですが、開放感があります。個人主義で、自分の意見、仕事に責任と自負を持っている感じです。私のニューヨークでの知人は出版関係か同業者が多いのですが、みんな自分の名前で仕事をしている、という印象です。日本では、会社名と役職名で仕事をしている傾向があると思います。あまり個人的な意見や行動も見られません。


アメリカで面白いと思ったエピソード、困ったことについて教えてください。
うーん。今から出演するオペラ歌手に劇場の前でナンパされた事。困った事は、貧乏生活…。


どうしてNYを選ばれたのですか?
ニューヨークは初めて行った時にピンと来ました。雑多なものを受け入れる街の持つ開放感でしょうね。様々な人種の人間が肩を並べて談笑している姿が、街中で見られました。日本人の私ではなく、Kaeとして、生きていけそうな気がしたんです。


日本人の英語の問題点はどんなところにあると思われますか?
さあ。私も完璧な英語は話せないし、書けません。もし言えるとしたら、日本人は完璧な英語を目指し過ぎて、畏縮してつまらない事になっている気がします。私は完璧でない自分の英語を、個性と思っています。


英語で文章を書くのは大変ではありませんか? 英語で書ける、と思ったのはいつですか?
英語の文章は今でも完璧には書けません。出版するものにはネイティブの人に見てもらっています。それを抜きにしたら、英語で書けると思ったのは、アメリカ人だらけの英語のクラスで、ライターの先生に褒められた時でしょうか。その時、結局は文章力なのだと思ったのです。文章の構成が頭の中でしっかり組み立てられていて、アイデアが明確に整理されていたら、多少の語彙の少なさや文法的なまずさは小さな(?)問題です。ここから先は、私も生涯勉強だと思っています。


絵や文章のインスピレーションの源は?
日常生活とまわりの人達ですね。例えフィクションのあり得ない世界を描いていても、自分が生活していて感じた事がもとになっています。人間はだれしも、それぞれドラマがあると思うんです。それを想像するのも楽しいし、そうすると全然知らない人にも愛情を感じます。だから生まれてくる作品の中の登場人物にも愛情を持っています。


制作するにあたって、気をつけていること、心がけていることはありますか?
自分に素直で自由である事と、読む人達の読みやすさのバランスでしょうか。知識を文章術の王道通りに並び立てても、おもしろいものができるとは思いませんし、かといって読者無視の自己満足を描いてみても、伝わらないのも虚しい。自分がわくわくするような気持ちで、それでいて未熟ながらも伝わるだけの形にして、送りだしたい、と思っています。


最近の日本人やアメリカ人をみて思うところはありますか?
日本人は臆病で、アメリカ人は単調だと思います。


国際人として通用するためには何が必要だと思いますか。
自分をしっかり持つ事ではないでしょうか。人間的魅力がある人は、国を越えて惹かれます。それが国際人だと私は思うんですが。


好きな言葉は?
マイペース。目盛りを自分の単位に変えて生きています。世の中の一般基準に合わせるのは私には大変な事なので。


将来の夢は?
長生き(笑)。長生きして、孫やらひ孫なんかを並べて、自分の若き日の武勇談をおもしろおかしく話したいです。そのために、日々、色々な冒険をしている訳です。


英語タウンの読者に、メッセージをお願いします。
人生は自分の最大の作品。いびつでもいいから、自分らしいものが作れたら素敵ですよね。

西村香英(にしむら かえ)さん
絵本作家。愛知県名古屋市出身。97年ICU人文科学科卒。
卒業後、アイルランドの国立美術工芸大学で絵を学ぶ。98年帰国。
00年ボストン美術館学校、ニューヨークのデザイン学校に通った後、自ら作品の売り込みを始める。日本で絵本『アイスクリームごっこ』『そのままのキミがすき』の絵を描く。04年には『Dinah!』(絵・作)がニューヨークで出版される。
その他にもNHKテキスト『Talk and Talk』にイラストとエッセイなどを掲載。03年には、ニューヨークで知り合った国籍の異なるアーティストに呼びかけ、静岡と広島で平和をテーマに展覧会「The Peace Show」を開催。今年はニューヨークでも展示を行う予定。

西村香英さんのサイトはこちら↓
http://www.portfolios.com/kae
http://www.thesoupgroup.net/

 


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