Page1:英語版刺身の本で食文化の国際交流
Page2:オーストラリアでは活け作りは罰金刑?
Page3:進化する日本料理とともに歩む料理人 |
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Q.まず、今回出版された『Sashimi: The Essential Kitchen
Series』について、お話をお聞かせいただけますか。
A.この本は、私が従来学んできた伝統的な刺身というものから、2歩も3歩も現代的な方向に踏み出して、コンセプトもいろいろ変えて作ったものなんです。ご覧になっていただければわかると思いますけれど、非常にモダンなタッチで表現されていながら、それでいて伝統的な技術もちゃんとおさえてあるんですね。
今は料理の世界でも、どんどんいろいろな料理が出てきている時代です。その中で日本料理の刺身というものが、寿司に並んで脚光を浴びてくれたら、という想いを持っていました。しかし、そのためには誰かがモダンな方向性をもった刺身の本を書かなければならない。これまでにも、刺身を解説した英語の本があるにはありましたが、それらは文章主体で書かれたものでした。この『Sashimi』のように、写真をメインに扱った英語版の本が出るのは、実はこれが初めてなんです。そういう意味では、初めに出版社の人と話をしたときに「これは面白いな」と思いましたね。
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Q.では、オーストラリアで日本食を紹介する本を書かれている立場から、オーストラリアの食文化について教えてください。
A.オーストラリアという国は、原住民がいたところにたくさんの移民が移住してきて、マルチカルチャーの中で育ってきた国。いわば、アメリカの後輩みたいな国ですね。僕はオーストラリアの前はアメリカにいて、アメリカの前はヨーロッパにいたので、1970年代、80年代・・・と年代別に区切った世界の料理の動きというものを体験してきているんです。1970年代というのは、オーストラリアの日本料理店なんて、シドニーに1軒、メルボルンに1軒くらいしかなかった。同時代のアメリカには、テキサスだろうがフロリダだろうが大都会から離れた地方の都市でも日本料理店がありました。ニューヨークやカリフォルニアのような大都市では、現在ほどの高度な技術はないにしても「Sushi
Bar」なるものが当時からあったんです。だから、オーストラリアはスタート地点で非常に遅れをとっていますね。
しかし、オーストラリアがそれだけ遅れているということは、別の見方をすると「将来がある」ということなんですね。それに、オーストラリアの食文化には大きな魅力があって、それはズバリ食材です。値段も安いし、実にまあ見事な食材が、北から南からフルシーズン入ってくるんです。魚介類は非常に新鮮だし、近頃では日本料理に欠かせないようなアジア産の野菜なども増えています。
オーストラリアの食文化を語るうえで、次に考えなければいけないことは流通 革命ですね。シェフの知識や技術が向上してきているし、自然の海の幸・山の幸にも恵まれていて、いい条件が揃っている。それにもかかわらず、流通
のうえでずさんな扱いがあったり、漁師や農夫の不注意のために消費者の元に届く食材が悪くなっていたり傷んでいたり、ということがあるんです。そういう意味では、彼らはこれからもっともっと勉強していかないといけないと思います。
だけど、僕が見る限りにおいては、ものすごい勢いでオーストラリアは伸びてきていますから、これはもう絶対的に面白い世界が待っているはずです。おそらく2003〜2005年あたりには、オーストラリアの食文化は相当イケる時代になっていると思いますよ。
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Periplus社のエッセンシャル・キッチン・シリーズは、クオリティーの高い文章と、目にも鮮やかな写真、またその装丁の美しさに定評がある人気料理本シリーズ。本書では、日本料理の中で高い人気を誇りながらも、寿司と混同されがちな刺身についてていねいな解説がなされている。また、正しい魚の選び方や、野菜を使った盛りつけの仕方などを、写真とともにわかりやすく示し、読者が家庭で魚をさばいて刺身を盛りつけることを想定して作られている。外国人を日本料理でもてなす際の参考に、また外国人へのプレゼントしても喜ばれること請け合いの1冊だ。
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