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第二回目の今日は「翻訳家が見たパトリシア・コーンウェル」 |
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Q.相原さんはパトリシア・コーンウェルと面識はありますか?
A.残念ながら一度もないんです。おまけに新作前の情報などいっさいなし。英語原稿を読んで、初めて次回作の内容がわかるんです。
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Q.一度も面識がないコーンウェルの情報は、どこから伝わってくるのですか?
A.エージェントからです。コーンウェルはスカーペッタのシリーズを年に一度のペースで執筆していて、2、3ヵ月で一気に書き上げるそうです。執筆にあたって調査するための時間を多く費やすようですが、書き出すと早い。ものすごい集中力でしょうね。
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Q.写真で拝見する限りでは、とても知的で美しい人ですね。つい、スカーペッタのイメージとだぶってしまいます。コーンウェル自身のプロフィールはご存じですか?
A.コーンウェルは5歳の時に両親が離婚して、母親が女手ひとつで3人の子供を育てたそうです。そのプレッシャーからか、母親は彼女が9歳の時に重いうつ病になってしまい、子供たちは他人の家にあずけられた。そのときの寂しさや恐怖感から、コーンウェルは想像の世界へ逃避して詩や物語を書くようになったと言われています。高校時代はテニスの選手として活躍し、大学は奨学金を得てデイビィッドソン大学で学んだそうです。
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Q.非常に苦労された女性ですね。最近の女性をヒロインにした探偵ものやミステリーの特徴として、作品の背景に存在する社会性をあげることができますが、検屍官シリーズもコンピュータ犯罪やDNA鑑定など時代の最先端の素材を扱っています。話題性で読者をひっぱっていくだけでなく、コーンウェル自身の中にも社会性が潜んでいるからこそ、描けるのではないかと思うのですが。
A.コーンウェルは小説家としてデビューする前にシャーロット・オブザーバー紙という地方紙の警察担当記者をしていたので、好奇心が強く社会に対する問題意識もかなり高いといえるでしょう。”検屍官”シリーズ誕生のいきさつからもそれがうかがえます。コーンウェルは新聞記者を辞めてからバージニア州検屍局コンピュータ・プログラマーとして勤め、その経験をいかしてミステリーを書きましたがはじめは認められず、その後そのなかで脇役として登場させていた女性検屍官を主人公にして新たな一作を書き上げました。それが「検屍官」シリーズのはじまりです。
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Q.なるほど。ヒロインの職業の設定を検屍官にしたところから既に現代の社会を描こうという作者の意図があるわけですね。ところでシリーズはまだまだ続きそうですが、相原さんからの新作への期待とは何でしょうか。
A.シリーズがスタートして10年ですが、登場人物が様々に変化しています。例えば第一作でケイの姪のルーシーは10歳でしたが、最新作では22〜23歳です。ケイ・スカーペッタも50代前半ぐらいでしょ。これから熟年になるにつれ、ケイがどう変化していくか。このことはミステリーと関係なく大いに気になりますね。
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相原真理子プロフィール
東京都生まれ。慶應義塾大学文学部英文科卒。レスラー『FBI心理分析官』(早川書房)、テューダー『ターシャ・テューダーの世界』(文藝春秋)、コーンウェルでは検屍官シリーズの他に『スズメバチの巣』(講談社)など。
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