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第五回目の今日は『翻訳修行時代・その2 翻訳デビューまで』 |
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Q.山本さんが翻訳家としてデビューする過程で、優秀な翻訳家たちとの出会いが大きかったと昨日述べていただきましたが、アイラ・レヴィンの『死の接吻』の翻訳者で作家でもある中田耕治氏との出会いの後は、どうでしたか?
A.バベルで募集があった下訳のオーディションに合格して、清水俊二氏の元で『ハリウッドをカバンにつめて』というサミニー・ディヴィス・ジュニアの自伝の翻訳を手がけることができたんです。4カ月間毎週欠かさずに先生のところに通
ってマンツーマンで指導しもらいましたから、下訳というより個人教授をしていただいたと言っていいでしょう。そこで現在に至る翻訳の礎をみっちりと伝授されました。
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Q.具体的には何を学んだのでしょうか。
A.「翻訳とは10年後、20年後に残るようなきちんとした文章でなければいけない」とまず言われましたね。それから「英語から離れてはいけない」。これは訳しにくい文章も崩さずにきちんと訳すべきだということです。清水先生は「楽をして苦しいことから逃げ出してはいけない、意訳ではなく、あくまでも英語に忠実に訳すこと」とおっしゃいました。これは今でも私の翻訳の姿勢です。だから俗語の多いパレツキーの英語に苦労するのかもしれませんね(笑)
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Q.下訳を4カ月やってから、いきなり翻訳家としてデビューできたんですか?
A.その前にちょっとあって。ラッキーな出会いが続きましたね。バベルで受講していた時に、ミステリー作家で翻訳家の小泉喜美子氏から、エッセイストの青木雨彦さんを紹介していただいて、青木さんから今度は早川書房の雑誌で『ミステリ・マガジン』の編集者を紹介していただいたんです。その編集者に、わたしが勉強のつもりで訳した翻訳原稿を見せて、批評してもらいました。それをきっかけとして、『ハヤカワ・ミステリ・マガジン』から少しずつ仕事がまわってくるようになりました。私の修行時代は本当に人との出会いがすべてでした。
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Q.本格的にデビューしたのはいつですか?
A.ヴィク・シリーズを手がける2年前の81年頃でしょうか。ミュージカルで有名な『アニー』の映画公開に合わせて早川書房からノベライズを出版することになって、そこで初めて一人で翻訳したんです。1カ月半かかりましたね。その時は失敗したらどうしようかと怖かったです。無事締切期限に間に合って納品できた時は、本当にほっとしました。
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Q.優秀な方たちとの出会いから、仕事が展開していき、同時に山本さんの世界も広 がったということですね。
A.運がよかった、それだけです。
山本やよい:プロフィール
1947年生まれ。同志社大学文学部英文科卒。現在は横浜市在住。海外ミステリーの翻訳が主。代表作、サラ・パレツキーのヴィク・シリーズの他、『最後の刑事』(ピーター・ラヴゼイ)、『嘆きの雨』(ウォレス)、『謎めく孤島の警部』(コーク)『出口なき広場』(チャールズ・ドット)、など訳書多数。
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バーニング・シーズン
父の妹のエレナはアル中で身持ちが悪く、昔から一家の悩みのタネだった。そんな叔母が不審火でホテルを焼け出され、アパートに転がり込んできたのが、事件の発端だった。やがて叔母の隣人の娘が建設現場で死体となって見つかり、わたし自身にも生命の危機が……シカゴの女探偵ヴィクの怒りの行動を描く第六作。早川書房刊
ハヤカワ・オンライン
V.I.ウォーショースキー・シリーズを手掛ける早川書房のサイト。ヴィク誕生の第一作「サマータイム・ブルース」からシリーズ第9作「バースデイ・ブルー」までオンラインで注文できる。
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