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  俳優
  今井雅之氏インタビュー

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今井雅之(Masayuki Imai)
98年、99年と2回にわたり、代表作『THE WINDS OF GOD』をひっさげブロードウェイへ乗り込んだ今井さん。演劇の聖地で観客の温かいアプローズを受けながら、その裏では文化の違い、日本人であることのハンデ、スタッフとのすれ違いなど、さまざまなトラブルも経験したようだ。

第二回目の今日は『甘くて苦い…ブロードウェイ公演記』。
  .今井さんは98年にオフ・ブロードウェイで、99年にはオン・ブロードウェイで公演をされたそうですが、公演のお話をお聞きする前に、まずオンとオフの違いを教えてもらえますか?

.NYには座席数100以下の小劇場から1000席以上の大劇場までたくさん劇場があるんです。その中でオン・ブロードウェイはタイムズスクエア周辺の大劇場群で、『キャッツ』などの人気作を上演している。で、オフ・ブロードウェイはそのまわりにある小劇場で、その外にはもっと小規模なオフ・オフ・ブロードウェイもあります。一般的にオンはミュージカル、オフやオフ・オフはストレート・プレイを上演することが多いんですが、なかにはオフで話題になった作品がオンで上演されるケースもあります。


 

.今井さんの『THE WINDS OF GOD』はオフ公演が話題になったことで、オン・ブロードウェイへ進出したということですか?

.そうですね。オン・ブロードウェイの舞台に立つのはアメリカの俳優でも大変なんですよ。ましてやアジア人がどれだけ受け入れられるのかわからない。まずはオフで腕だめしという気持ちでした。



アゴだけじゃなし、足もガクガクの猛者練習。

 

.上演してみての手応えはいかがでしたか?

.オフの時は最初、全然お客が入らなかったんだけど、中盤にNYタイムズの演劇評論家の方が舞台に観に来てくれて、劇 評が大きく載ったんです。アメリカでは新聞の劇評が客の入りを左右するほどの影響力を持っていて、中でも頂点にいるのが NYタイムズ。辛口批評で有名なそのNYタイムズに、写真入 りでバーンとでっかく載って、しかもほめてもらえた。それか ら客がどんどん増えて、おかげさまでチケット完売の日も出たんです。あの時は「ヤッタ!」とホンマ嬉しかったなぁ。


 

.そして、ついにオン・ブロードウェイ進出。

.オンはブロードウェイの最高峰ですから、やっぱりオフの時より観客も評論家も見る目が厳しかったですね。ほめる人、 けなす人、いろんな意見をいただきました。でもある日、公演が終わった時に一人の女性が楽屋に来て「Your play is the best in Broadway! I've never seen such a kind of wondeful play.I swear to God(あなたの舞台はブロードウェイで一番! 私は今までこんな素晴らしい舞台を観たこと がないわ。神に誓ってホントよ)」って言われたんですよ。日本の作品を日本人の演出で日本人が演じて、それでも本場で認めてもらえる。俳優としてこれ以上の醍醐味はないんじゃない?。


  .でも、日本人が初めてロングラン公演を行うにあたって、 何かと苦労もあったのでは?

.そう、ホンマに大変だった(笑)。正直言うと、ブロードウェイ公演は興業的には成功しなかったんです。敗因は、きち んとした興業を行なえる体制を整えられなかったこと。僕の場合はコネもスポンサーもなかったんで、劇場から現地コーディ ネーター、音響・照明、それこそ今日の弁当まで自力で手配したんですよ。もちろん事前に日本とアメリカで何度も連絡をとったりした。なのに現地入りしてみれば、手配していたはずの宣伝活動を全くしてなかったり、チケットを売っていなかったり…。


  .それをどう対処されたんですか?

.時間の許す限り街でPRしたり、マスコミの取材に駆け回ったり。NY滞在中はオフタイムは一切なかったですね。


  .それだけしんどい思いをしても公演を行うということは、大変さに勝る喜びがあるということでしょうか?

.2回のブロードウェイ公演を通じて、ちゃんと宣伝してちゃんと演じれば、ブロードウェイでも絶対いけるなって確信した んです。だってほとんど前宣伝してなかったのに、結果的には そこそこお客が入りましたから。でも満足なんて全然してないっすよ。一億儲けたっていうのでなければ、勝ったとは言えない。 体制を万全にして、俳優としてもう一回勝負したいです。


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宣伝活動のため、ブロードウエイを衣装で歩いてPR。



 明日は『ハートに届く英語劇の作り方』