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  女優
  工藤夕貴氏インタビュー

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工藤夕貴(Yuki Kudoh)
ハリウッド映画『ヒマラヤ杉に降る雪』で名実ともに国際派女優として認められた工藤さん。超難関のヒロイン役をどうやって射止めたのか、女優に目覚めたきっかけ、移住先 L.A.でのプライベートタイムの過ごし方など、フランクな語り口に彼女の素顔を垣間見ることができる。

第二回目の今日は『女優という天職』。
  .女優というと一般には華やかな職業というイメージがありますが、工藤さんご自身から見た女優という仕事の醍醐味はどんなところでしょう。

.一言でいえば変幻自在。役の上でならなんにでもなれるところですね。人間じゃない天使にだってなれる。普通の人間は自分一人分の人生しか体験できないけど、 女優であればいろんな人の人生を経験することができる。そこが魅力。ただし、華やかというよりは地味な体力仕事の方が多いと思いますけれど。

  .1984年に『逆噴射家族』で映画初出演以来、さまざまな作品に登場なさってますが、なかでも印象的に残っている作品をあげるとすれば?

.今までしてきた作品は気に入ってやらせて頂いたものばかりなので、どれというのはとても難しいのですが・・・、やはり『ヒマラヤ杉に降る雪』ですね。ハツエの役は次から次へと感情の起伏が続く役柄で、しかも困難な状況ばかり。戦争で恋愛を引き裂かれ、信じていたアイデンティティーも踏みにじられ、戦後は夫に殺人容疑がかけられる役ということもあって、常に気持ちを重く、張り詰めた状態にしておく必要がありました。撮影期間は楽しいこと、嬉しいことはすぺて意識的に遠ざけ、精神的につらい状態というのを作り出さなければならなかった。これは初めての経験でした。

  .何カ月もつらい気分のままでいるのですか?

.そう、撮影期間は2、3カ月ぐらいでしたが、その間は美味しいものを食べたり、楽しいことをやったり見たりするのは全部ストップ。ハツエの精神状態を自分のなかにキープするようにいろいろ工夫しました。これだけ大きな映画に関わるのは初めてでしたから、失敗はできないとプレッシャーもありましたし・・・。

  .すごい集中力ですね。

.役に入り込んでいくうちに、顔が変わったり、しぐさも変わったりしていくみたい。その役柄に没頭していくというか、なりきってしまうんですね。私はなにをやっても金太郎アメみたいな演技はできないタイプなので、毎回その役柄が乗り移ってしまいます(笑)。でも、そういうふうにできる役との出会いというのも大切ですね。

  .女優と役との相性がある?

.ありますよ。ほら、初対面の人と会った時でもこの人スキ、キライって本能的にわかるってあるじゃないですか。肌にあう、あわないみたいな感じ。役に当たるっていうのもそんな感じがあるんです。そういう、のめり込める役に当たった時、初めて自分の実力を出すことができる。

  .これからやってみたい役はありますか。

.相性ももちろんですが、役の大小に関わらず自分が興味をもった役をどんどんやっていきたい。今、具体的にこれというのはありませんが、私のアンテナにピピッとくるような作品にぜひ出会いたいと思っています。あとは、もっと女優として勉強したいですね。アメリカに来て特に思うんですが、こちらの俳優さんたちは芝居ができるといわれる人ほど勉強し続けている人が多いんです。そういう姿を間近に見て、私ももっと努力しなくちゃと思う。演技力もそうですし、語学も自分の母国語じゃない言葉で勝負するからには、周りの倍はやらないと。 あとで後悔するのはイヤなので、悔いが残らないように一日一日を大切にしていきたいですね。

 

.うーん、たしかに女優業はラクじゃなさそう・・・。

.ハハ、でも好きでやってることですから。大変でしょうと言われても、私自身は全然そんなふうに思ったことはないんですよ。


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1999年12月
LA
で行われた
ヒマラヤ杉に降る雪
プレミア上映会場前、
現地報道陣に囲まれて。



 明日は『道具としての英語』

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