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  ブロードキャスター
  ピーター・バラカン氏インタビュー


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ピーター・バラカン氏(Peter Barakan)
様々なメディアで独自の音楽紹介を展開しているバラカン氏。 イギリスの大学では日本語学科を専攻、ふとした縁で来日してはや26年とか。 そんな知日家の彼が語る日本と異文化、外国語上達法、好きな仕事でメシを食う方法など、興味深いテーマが満載のインタビュー。

第一回目の今日は『バラカン流・好きなことを仕事にするには?』

 
  Q.音楽紹介の傍ら、「CBSドキュメント」の司会など多方面 に渡って活躍してらっしゃいますが、はじめて就いた職業はなんでしたか?
A.レコード店の店員でした。僕はかなりボンヤリした学生で、大学を卒業する時期になっても就職活動とか全然してなかったんです。卒業してからやっとなにか仕事を探さなくちゃと思い、新聞の求人欄を見てみつけたのがその仕事でした。

 

 

Q.音楽に関係のある仕事だから選んだのですか?
A.子供の頃から音楽は好きだったので、将来はなにか音楽に関係のある仕事がしたいと考えていました。でも、レコード店の店員というのは肉体的にも精神的にもとても厳しかった。毎日朝9時から夜7時まで立ち詰めで時間的拘束も長いし、そのわりに給料はものすごく安い。毎週金曜日が給料日でしたが、次の木曜日には夕飯ヌキで歩いて帰宅しなければならなかったほど。まあ、給料日のうちにごっそりレコードを買い込んでもいたんですが(笑)。半年ぐらいやって最後は店長までいきましたが、状況はまったく変わらず、責任だけどんどん増えていくので辞めました。当時22才、ガールフレンドもいないし、悲惨な時期でしたね。

 

 

Q.その後はどうなさいましたか?
A.ある日、音楽業界の業界紙を見ていたら日本の出版社の求人が出てたんです。音楽関連の出版社で、日本で働く英語のネイティブを求めていました。僕は大学で日本語を勉強してましたから、すでに日本語は出来た。さらに好きな音楽を仕事にできる・・。そこでダメもとで手紙を出してみたんです。そうしたら返事が来て、面接したいといわれて会って、その後しばらく音沙汰なかったのですが、突然電話がかかってきて、東京へ向かう飛行機に乗ることになってしまいました。それが74年の夏でしたね。

 

 

Q.なかなか切羽つまった状況での来日だったと(笑)。そこで記念すべき日本での初仕事は?
A.就職先は音楽関係の出版物を出している会社。そのなかの著作権の管理をおこなう国際部で、主にアメリカやイギリスの会社向けへのビジネスレターを書くのが僕の仕事でした。ほら、ビジネスレターって独特の文体やルールがあるでしょう? 誰でも自分の母国語以外の言語で100%間違いのないビジネス文書を書くのは難しいと思います。僕だって、今でも日本語で同じものを書けといわれても自信ないですから。 そこで6年間その仕事を続けましたが、当然音楽の会社だからそればかりじゃない。レコードをたくさん聴く機会にも恵まれたし、音楽好きの若者が集まっているからいるだけで楽しかった。それに、この業界は狭いから、同じ業界内の別 の人たちともかなり知り合いになれました。そうしたなかで、レコード会社や放送関係、コンサートの興業会社に勤める友達が少しずつ増えていきました。

 

  Q.ネットワークが広がって、今の仕事に関わるようなきっかけがあったのですね。
A.今、僕は放送の仕事をしていますが、この分野はなかなか入り込みにくい世界だと思うんです。若かった頃も興味はありましたが、そこで働くことができるとは夢にも思っていなかった。それがラジオの音楽番組のオーディションに誘われて、結局はこの世界に入ることが出来た。最初はメインの人のアシスタントで自分で曲も選べないようなポジションでしたが、その次は深夜番組でメインDJをするようになり、今度はそれを聴いたテレビのキャスティングをしている人に誘われて、84年に『ポッパーズMTV』というテレビの番組を持つようになったんです。

 

  Q.とてもラッキーなキャリアアップに思えるのですが。
A.、僕は本当にチャンスに恵まれてきたと思います。性格的に自分の人生設計を考えるとかすごく苦手で、日本に来た時もなんとなく来ちゃったし、全然計画性がない。でも、一方で自然の流れに逆らってもあまりいいことないという風に思っている部分もある。フラフラしているように見えても、自分が何をやりたいのか、いつも頭の片隅に持っていればチャンスが巡ってきた時に逃さず掴むことができるしょう? 今は漂っているだけでも、流れが自分の行きたい方向に来たら、うまく乗ってヒョイヒョイっていければ、その方がスムーズ行くこともあると思います。

明日は「バラカン流・外国語上達の秘けつ」


photo: 清野泰弘(フォトオフィスプラスワン)