これまでに5シーズン制作されたテレビドラマの中でも、とりわけ人気が高いのが、1番最初のシリーズ。当時は現在のようにSFXの技術が進歩しておらず、今見るとやや古くさい雰囲気もあるが、喜怒哀楽が激しい医師のマッコイと感情を知らないスポックの議論、いつもマイペースな天才エンジニアのスコット、誰よりも勇気とユーモアのあるキャプテンのカークなどなど、個性的なキャラクターたちが、視聴者を毎回テレビの前に釘付けにした。
第2シーズンや第3シーズンなどの評価も高いが、俳優たちも変わり、最初のシーズンと比べてユーモアも控えめ。過去に制作された10作の劇場用映画でも、しだいにユーモアが薄れる傾向にあったため、今回の映画も真面目な作品になるのでは、と予想するファンも多かった。
今回の劇場用映画最新作「スター・トレック」は、テレビドラマの第1シーズンに登場するファンおなじみのキャラクター達が、いかにして出会い、USSエンタープライズで宇宙を旅するようになったかを描いた作品。これまでの作品の続編ではなく、スター・トレックの生みの親であるRoddenberry氏の元の話(通称カノン)をヒントに再構築された、リ・イマジネーション作品となっている。
監督したのは、『LOST』、『M:i:III』、『クローバーフィールド/HAKAISHA』などの作品で世界的に注目されているクリエイター、J.J.エイブラムス。現代のSFXで壮大な世界を描くと同時に、ユーモアをふんだんに盛り込んだエンターテインメント作品にすることで、初めてスター・トレックに触れる人でも存分に楽しめる娯楽作品となっている。

エンターテインメント性が強い分、シリアスさはあまりないが、未来の宇宙戦艦や科学技術、たくさんの異星人や謎の生物たちは、見る人の想像力を刺激する。主演のクリス・パインをはじめとするハリウッド注目の若手アクターたちの演技も素晴らしい。
過去のスター・トレック作品の綿密なリサーチに基づいて制作されているため、長年のスター・トレックファンも、違和感を感じることなく楽しめるはずだ。
ファンおなじみのキャラクター達の特徴もしっかりと守られていて、特にエンジニアのスコット(あだ名:スコッティ)と医師のマッコイ(あだ名:ボーンズ)、そしてナビゲーターのチェコフは面白い。マッコイは強いスコットランドのなまりで適当に喋っている若い男で、表現が非常に面白い。マッコイは昔のテレビドラマでも今回の映画でも皮肉が大好きだが、優しい心を持った人物。そしてチェコフは、もしかしたら今回の映画の一番大きな矛盾と言えるかもしれない。バルカン人、ロミュラン人などの異星人たちが皆英語ペラペラなのに対し、ロシア語なまりのチェコフの英語はわかりづらく、コンピューターの音声認証システムでエラーが出たり、クルーたちもチェコフが何を言っているのか聞き取るために必死。23世紀になっても、誰もが英語ペラペラなわけではなく、英語との戦いは続くようだ。
劇場用映画最新作「スター・トレック」は、5月8日の全米公開直後の成績で、過去のスター・トレック映画の全てを上回り、世界24カ国でナンバーワンになった。個性的なキャラクターと壮大なSFXが、以前からのファンだけでなく新しいファンにも受け入れられ、批評家からも高い評価を得ている。
これまでスター・トレック作品を観たことがある人も、初めて観る人も、SF作品が少しでも好きな人は必見。映画を見たら、過去のスター・トレック作品も見たくなること間違いなしだ。
『スター・トレック』公式サイト(
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英語)
広大な宇宙が舞台のスター・トレックシリーズには、たくさんの謎の生物や惑星、独自の文化を持った文明が登場する。その内、以下の文明は、シリーズを通じて一番よく登場する。
Humans 地球人: 22世紀に悲惨な世界大戦を経験した人間は、平和の大切さを痛感し、差別のないな世界を作った。スター・トレックの各作品んで描かれている23世紀以降の世界では、エネルギーを戦争ではなく、宇宙の開拓に使うようになったが、宇宙にもたくさんの悪者がいるので、依然として戦いが続いている。
Vulcan バルカン人・バルカン惑星:
耳が長いのが特長。バルカン人はいつも冷静で、常に論理的に思考し、行動している。一番有名なバルカン人はスポックだが、スポックの母親は地球人なので、バルカン人の中でも特別な存在となっている。論理だけ信じるバルカン人には冗談が全く通じないのがポイント。
Klingon クリンゴン人: クリンゴン人は見るからに強そうで、戦いが大好きな種族。最初のドラマでは悪役のイメージが強かったが、テレビドラマの第2シーズン、第3シーズンなどでは少しイメージアップ。テレビドラマでは、「クリンゴン語」という発音が非常に難しい架空の言語が登場。熱心なスター・トレックのファンにより、今では、クリンゴン語の研究所やクリンゴン語の辞書、そしてウィキペディアのクリンゴン語版さえが作られているなど、クリンゴン語は、エスペラント語などの有名な人工言語のひとつに数えられている。(※劇場用映画最新作「スター・トレック」では、クリンゴン人の話は出てくるものの、実際にクリンゴン人が登場する場面はない)
Romulan ロミュラン人:
非常にバルカン人に似ている異星人の一種。祖先はバルカン人と同じだが、態度は正反対。過去のテレビドラマシリーズや映画でもロミュラン人と地球人の間での戦争が頻発しており、今回の映画でもロミュラン人は好戦的な悪役として登場する。
Borg ボーグ:
今回の映画には登場しないが、過去のスター・トレックシリーズで有名になった一種のサイボーグ。半分は機械、半分は人間と他の宇宙人で、いつもグループとして登場する。メインコンピューターと繋がらないと動けなくなり、いきなり惑星全体を攻撃してそこに住んでいる異星人全員を強制的に仲間にすることは有名。
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